【無料・プライバシー保護】LMStudioでQwen3-2507を使う方法|256K長文対応の最新AI

本記事では、LMStudioを使ってこれらの強力なAIモデルをローカルで動かす方法を詳しく解説します。Qwen3-235B-A22Bから効率的な30B-A3Bシリーズ、専門的なCoderコーディングモデルまで、最新世代の大規模言語モデルを自分のPCにデプロイする方法を学べます。256K超長コンテキスト、インテリジェント推論切り替えなど最先端機能を、クラウドAPI不要でプライバシーを守りながらゼロコストで活用!

中村 拓也

中村 拓也

18 11月 2025

【無料・プライバシー保護】LMStudioでQwen3-2507を使う方法|256K長文対応の最新AI

2025年8月、Qwenチームが最新の「Qwen3-2507」シリーズをリリースしました。8月6日に4Bモデルが最終リリースされ、8月8日には100万トークンの超長入力対応が発表されています。235Bパラメータの旗艦MoEモデルに、思考モードと指令モードの完全分離、さらに256Kの超長コンテキストウィンドウ(最大100万トークンまで拡張可能)を搭載し、ローカルAI環境に新たな可能性をもたらしています。

本記事では、LMStudioを使ってQwen3-2507をローカル環境で動かす方法を解説します。クラウドAPIも便利ですが、ローカル実行にはプライバシー保護、コスト削減、オフライン利用可能といった明確なメリットがあります。

💡
APIテストツールをお探しなら、Apidogがおすすめです。LMStudioのようなローカルAI APIのテストに最適で、ストリーミング応答の可視化やJSONPath抽出機能が便利。Qwen3-2507のThinking-2507モデルの推論プロセスを可視化する際に特に威力を発揮します。直感的なUIで、APIリクエストの作成から応答の解析まで、開発効率が格段に向上します。
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Qwen3-2507って何がすごいの?

Qwen3-2507は2025年8月にリリースされた最新世代のLLMで、前バージョンから革命的な進化を遂げています。特に注目すべきは、Mixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャの最適化と、思考モード・指令モードの完全分離です。

GitHub - QwenLM/Qwen3: Qwen3 is the large language model series developed by Qwen team, Alibaba Cloud.
Qwen3 is the large language model series developed by Qwen team, Alibaba Cloud. - QwenLM/Qwen3

Qwen3-2507の主要モデルラインナップ

今回の2507アップデートで登場したモデル(2025年8月):

モデル名 総パラメータ 活性パラメータ モード 特徴
Qwen3-235B-A22B-Instruct-2507 235B 22B 指令 強力な指示対応・多言語能力
Qwen3-235B-A22B-Thinking-2507 235B 22B 思考 複雑な推論・Agent能力
Qwen3-30B-A3B-Instruct-2507 30B 3B 指令 高効率・256Kコンテキスト
Qwen3-30B-A3B-Thinking-2507 30B 3B 思考 高効率推論モード
Qwen3-4B-Instruct-2507 4B 4B 指令 軽量・高速応答
Qwen3-4B-Thinking-2507 4B 4B 思考 軽量推論モード

Qwen3ファミリーの他のモデル(別途リリース済み):

全部Apache 2.0ライセンスでオープンソース化されているのがすごいですよね!

Qwen3-2507の革新的な技術特徴

思考モード(Thinking)と指令モード(Instruct)の完全分離

複雑なアルゴリズム設計には「Thinking」モード、簡単なコード補完には「Instruct」モードというように、タスクに応じた使い分けが可能です。

256K超長コンテキストウィンドウ(最大100万トークンまで拡張可能)
前バージョンから大幅に拡張され、2025年8月8日のアップデートで100万トークンの超長入力に対応。長文ドキュメントの解析や大規模コードベース全体の理解が可能に。実質的に小説数冊分のテキストを一度に処理できます。

多言語サポートの強化
119言語・方言をサポートし、日本語の精度もさらに向上。ローカライゼーションタスクにも対応。

Agent機能とツール連携の進化
外部ツールとの統合能力が大幅に強化され、複雑なタスクの自動化やワークフロー構築が可能に。

トレーニングデータの大規模化と品質向上

Qwen3-2507のパフォーマンスと効率性

MoEアーキテクチャの驚異的な効率:

Qwen3-2507シリーズの最大の特徴は、MoE(Mixture-of-Experts)による効率化です:

コーディングタスクでの大幅な性能向上:

Qwen3-2507シリーズは、コーディング能力も大幅に強化されています:

補足:Qwen3-Coderシリーズについて
コーディングに特化したい場合は、別途リリースされているQwen3-Coderシリーズ(480B-A35B、30B-A3Bなど)も利用可能です。HumanEval、MBPP、LiveCodeBenchなどの主要コーディングベンチマークで最高クラスのスコアを記録しています。

推論・数学タスクでの進化:

Thinking-2507モデルは、MATH、GSM8K、AIMEなどの数学ベンチマークで前世代から大幅に向上。Chain-of-Thought推論により、複雑な問題解決能力が飛躍的に改善されました。

実用的なメリット:

LMStudioでQwen3-2507を動かす方法

LMStudioは、LLMをローカルで簡単に動かせるツールで、複雑な設定なしでモデルを管理・実行できます。Qwen3-2507シリーズにも完全対応しており、コマンドラインツールとAPIサーバーも提供しているため、開発者にとって使いやすい環境が整っています。

インストールと設定

まず、LMStudioをインストールして、少なくとも一度は起動しておく必要があります。その後、コマンドラインツール「lms」をブートストラップします。

macOSやLinuxの場合:

~/.lmstudio/bin/lms bootstrap

Windowsの場合:

cmd /c %USERPROFILE%/.lmstudio/bin/lms.exe bootstrap

インストールを確認するには、新しいターミナルウィンドウを開いてlmsコマンドを実行します:

lms

以下のような出力が表示されるはずです:

lms - LM Studio CLI - v0.2.22
GitHub: https://github.com/lmstudio-ai/lmstudio-cli

Usage
lms <subcommand>

where <subcommand> can be one of:

- status - Prints the status of LM Studio
- server - Commands for managing the local server
- ls - List all downloaded models
- ps - List all loaded models
- load - Load a model
- unload - Unload a model
- create - Create a new project with scaffolding
- log - Log operations. Currently only supports streaming logs from LM Studio via `lms log stream`
- version - Prints the version of the CLI
- bootstrap - Bootstrap the CLI

For more help, try running `lms <subcommand> --help`

Qwen3-2507モデルのダウンロードと実行

LMStudioは最新のQwen3-2507シリーズをサポートしています。利用可能な主要モデルは以下の通りです:

Qwen3-2507シリーズ(2025年8月最新版):

その他のQwen3ファミリーモデル:

実行例1:高効率な30B-A3B Instruct-2507モデルを使う場合

lms get qwen3-30b-a3b-instruct-2507

このコマンドでモデルがダウンロードされ、インタラクティブなチャットセッションが開始されます。チャットを終了するには Ctrl+C を押します。

注意lms get コマンドは、モデルのダウンロードと対話型チャットを同時に行います。API経由で使用する場合は、後述の「API経由で使用する完全な手順」セクションを参照してください。

実行例2:軽量な4B Instruct-2507モデルを使う場合

lms get qwen3-4b-instruct-2507

4Bモデルは、より少ないVRAMで動作し、高速な応答が必要な場合に最適です。

実行例3:複雑な推論にThinking-2507モデルを使う場合

lms get qwen3-30b-a3b-thinking-2507

Thinking-2507モデルは、数学的証明、複雑なアルゴリズム設計、論理的推論が必要なタスクで威力を発揮します。

API経由で使用する完全な手順

API経由でQwen3-2507を使用する場合、以下の手順で進めます:

ステップ1:モデルのダウンロード(初回のみ)

まず、使用したいモデルをダウンロードします:

# 30B-A3Bモデルをダウンロード
lms get qwen3-30b-a3b-instruct-2507

このコマンドを実行すると、モデルがダウンロードされ、対話型チャットが開始されます。チャットを終了するには Ctrl+C を押します。

ダウンロード済みのモデルを確認するには:

lms ls

ステップ2:APIサーバーの起動

lms server start

ステップ3:モデルのロード

APIを使用する前に、モデルをメモリにロードする必要があります:

方法1:コマンドラインでロード

lms load qwen3-30b-a3b-instruct-2507

方法2:LMStudioのGUIでロード
LMStudioアプリケーションを開き、Developer ページでモデルをロードします。

ステップ4:ロード状態の確認

モデルが正しくロードされているか確認します:

lms ps

これで、APIリクエストを送信できる状態になりました。

使用後:サーバーの停止

lms server stop

コードからQwen3-2507を呼び出す

curlを使用する場合(Instruct-2507モデル):

curl http://localhost:1234/v1/chat/completions \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "qwen3-30b-a3b-instruct-2507",
    "messages": [
      { "role": "system", "content": "You are a helpful coding assistant." },
      { "role": "user", "content": "Write a Python function to calculate Fibonacci numbers." }
    ],
    "temperature": 0.7,
    "max_tokens": -1,
    "stream": true
  }'

Thinking-2507モデルで複雑な推論を行う場合:

curl http://localhost:1234/v1/chat/completions \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "qwen3-30b-a3b-thinking-2507",
    "messages": [
      { "role": "system", "content": "Think step by step and show your reasoning." },
      { "role": "user", "content": "Design an efficient algorithm to find the longest palindromic substring." }
    ],
    "temperature": 0.7,
    "max_tokens": -1,
    "stream": true
  }'

Pythonを使用する場合:

from openai import OpenAI

# ローカルサーバーに接続
client = OpenAI(base_url="http://localhost:1234/v1",
                api_key="lm-studio")

# Instruct-2507モデルで高速応答
completion = client.chat.completions.create(
  model="qwen3-30b-a3b-instruct-2507",
  messages=[
    {"role": "system", "content": "You are a helpful coding assistant."},
    {"role": "user", "content": "Explain the difference between async and await in JavaScript."}
  ],
  temperature=0.7,
)

print(completion.choices[0].message)

# Thinking-2507モデルで深い推論
thinking_completion = client.chat.completions.create(
  model="qwen3-30b-a3b-thinking-2507",
  messages=[
    {"role": "system", "content": "Think deeply and show your reasoning process."},
    {"role": "user", "content": "How would you design a distributed caching system?"}
  ],
  temperature=0.7,
)

print(thinking_completion.choices[0].message)

TypeScriptを使用する場合:

import OpenAI from 'openai';

const client = new OpenAI({
  apiKey: "lm-studio", // 実際には必要ありません
  baseUrl: "http://localhost:1234/v1"
});

async function main() {
  // Instruct-2507モデルでコード生成
  const codeCompletion = await client.chat.completions.create({
    messages: [
      { role: 'system', content: 'You are an expert programmer.' },
      { role: 'user', content: 'Create a React component for a todo list with TypeScript.' }
    ],
    model: "qwen3-30b-a3b-instruct-2507",
  });
  
  console.log(codeCompletion.choices[0].message);
  
  // 軽量な4Bモデルで高速応答
  const quickCompletion = await client.chat.completions.create({
    messages: [
      { role: 'user', content: 'Explain what is a closure in JavaScript.' }
    ],
    model: "qwen3-4b-instruct-2507",
  });
  
  console.log(quickCompletion.choices[0].message);
}

main();

ApidogでLMStudioのAPIをテストする

APIのテストにはApidogが非常に便利です。LMStudioのAPIモードと相性が良く、リクエストの送信や応答の確認が簡単に行えます。

Apidogを使ってQwen3-2507のAPIをテストする方法は以下の通りです:

  1. 新しいAPIリクエストを作成
  2. エンドポイントに http://localhost:1234/v1/chat/completions を設定
  3. リクエストを送信し、リアルタイムタイムラインで応答を監視
  4. JSONPath抽出機能を使って応答を自動的に解析

Instruct-2507モデルをテストする場合:

{
  "model": "qwen3-30b-a3b-instruct-2507",
  "messages": [
    { "role": "system", "content": "You are a helpful assistant." },
    { "role": "user", "content": "Explain MoE architecture in simple terms." }
  ],
  "temperature": 0.7,
  "max_tokens": -1,
  "stream": true
}

Thinking-2507モデルで複雑な推論をテストする場合:

{
  "model": "qwen3-30b-a3b-thinking-2507",
  "messages": [
    { "role": "system", "content": "Think step by step and show your reasoning." },
    { "role": "user", "content": "Design a scalable microservices architecture for an e-commerce platform." }
  ],
  "temperature": 0.7,
  "max_tokens": -1,
  "stream": true
}

軽量な4B-Instruct-2507モデルで高速応答をテストする場合:

{
  "model": "qwen3-4b-instruct-2507",
  "messages": [
    { "role": "system", "content": "You are a helpful assistant." },
    { "role": "user", "content": "What are the benefits of using TypeScript over JavaScript?" }
  ],
  "temperature": 0.7,
  "max_tokens": -1,
  "stream": true
}

Apidogの強化されたストリーミング機能を使えば、ストリーミングメッセージが統合され、デバッグが効率的に行えます。特にThinking-2507モデルの推論プロセスを可視化する際に有用です。

トラブルシューティング

エラー:「No models loaded」

apidog APIリクエスト

APIリクエスト時に以下のエラーが表示される場合:

{
  "error": {
    "message": "No models loaded. Please load a model in the developer page or use the 'lms load' command.",
    "type": "invalid_request_error"
  }
}

解決方法:

  1. まず、モデルがダウンロード済みか確認:
lms ls

2. ダウンロードされていない場合は、ダウンロード:

lms get qwen3-30b-a3b-instruct-2507

3. モデルをロード:

lms load qwen3-30b-a3b-instruct-2507

4. ロードされているか確認:

lms ps

5. LMStudioのGUIを使用している場合は、Developer ページでモデルを手動でロードしてください。

その他の注意点

まとめ

Qwen3-2507は本当に革命的なアップデートです。235Bパラメータの旗艦MoEモデルが、わずか22Bの活性パラメータで動作し、思考モードと指令モードを自在に切り替えられる。さらに256Kの超長コンテキスト(最大100万トークンまで拡張可能)により、大規模ドキュメントやコードベース全体の解析が可能になりました。2025年8月のこのアップデートは、ローカルAIの可能性を大きく広げました。

LMStudioを使えば、これらの強力なモデルを簡単にローカルで実行できるので、プライバシーを確保しながら、コスト効率よく最新のAI技術を活用できます。

個人的なおすすめモデル:

ハードウェアとソフトウェアのエコシステムが進化し続ける中で、大規模言語モデルの力はますます民主化され、クラウドサーバーから私たちのローカルマシンへと移行しています。Qwen3-2507は、その最前線に立つモデルと言えるでしょう。

LMStudioを使えば、複雑な環境構築なしに、これらの最新モデルを数分で動かすことができます。プライバシーを重視する開発者、コストを抑えたい個人ユーザー、オフライン環境での利用を考えている方にとって、ローカルLLMは今後ますます重要な選択肢となっていくはずです。

Qwen3-2507の登場により、ローカルAI環境の可能性はさらに広がりました。思考モードと指令モードの使い分け、100万トークンの超長文処理、そして効率的なMoEアーキテクチャ。これらの機能を活用することで、これまでクラウドAPIでしか実現できなかった高度なタスクも、自分のマシンで実行できるようになります。

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