はじめに
現代の開発環境において、コード理解とタスク自動化は開発者の生産性を左右する重要な要素です。複雑なコードベースの分析に時間を費やし、繰り返しのタスクに追われる日々から解放されたいと考える開発者は少なくありません。
本記事では、Google Geminiチームが開発したオープンソースのAIコマンドラインツール「Gemini CLI」について詳しく解説します。インストール方法から実践的な活用法まで、開発効率を劇的に向上させる具体的な手法を紹介します。
特にAIコーディングアシスタントと組み合わせることで、生成されたAPIコードを即座にテストし、ドキュメント化できます。PostmanやSwagger形式との完全な互換性により、既存プロジェクトからの移行もスムーズです。
日本語対応で初心者にも使いやすく、無料版から始められるため、まずは試してみることをお勧めします。API開発の効率を劇的に向上させたい開発者にとって、必携のツールです。

Gemini CLIとは
Gemini CLIは、開発者向けに設計された専用のAIコマンドラインツールです。コード理解、複雑なクエリの実行、タスクの自動化を支援し、Geminiのマルチモーダル機能を活用して創造的なコンテンツ生成も可能にします。
GitHub: https://github.com/google-gemini/gemini-cli
主な機能
Gemini CLIは、以下の5つの主要機能を提供します:
| 機能カテゴリー | 詳細 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 大規模コードベースのサポート | 100万トークン以上のコンテキストを処理 | 大規模プロジェクトの分析 |
| マルチモーダルプロトタイピング | PDFやスケッチからアプリのプロトタイプを生成 | 迅速なUI/UX開発 |
| DevOpsタスクの自動化 | Git操作、PRの取得、移行計画の作成 | 開発ワークフローの効率化 |
| ツール統合 | MCPサーバー経由でImagen、Veo、Lyriaに接続 | メディア生成の自動化 |
| ウェブ検索対応 | 組み込みのGoogle検索機能 | 最新情報の取得 |
Gemini CLIのインストール方法
前提条件
インストールを開始する前に、以下の環境を確認してください:
- Node.js 18以降がインストールされていること
以下のコマンドでバージョンを確認できます:
node -v
本記事ではmacOSを例に説明しますが、Windowsでも同様の手順で導入可能です。すべての操作はターミナルで実行します。
インストール方法

Gemini CLIには2つのインストール方法があります。
方法1:直接実行(インストール不要)
一時的に使用する場合や、試用したい場合に最適です:
npx https://github.com/google-gemini/gemini-cli
方法2:グローバルインストール(推奨)
継続的に使用する場合は、グローバルインストールを推奨します:
sudo npm install -g @google/gemini-cli
インストール後、ターミナルでgeminiと入力するだけでインタラクティブCLIが起動します。
初期設定ガイド
初回起動時には、以下の3つのステップで設定を完了します。
ステップ1:テーマの選択
提供されたオプションから好みのテーマスタイルを選択し、Enterキーで確定します。
ステップ2:サインイン方法の選択
ログイン方法を選択します。「Googleでログイン」を選択すると、無料で以下のレート制限が適用されます:
- 1分あたり60リクエスト
- 1日あたり1,000リクエスト
より高いレート制限や企業アクセスが必要な場合は、APIキーを使用できます:
- Google AI StudioからAPIキーを取得
- 環境変数として設定:
export GEMINI_API_KEY="YOUR_API_KEY"
注: APIキーの使用は通常、直接APIコールのためのものです。Gemini APIの詳細については、Google Gemini APIとは何か、そして使い方をご参照ください。
ステップ3:ブラウザ認証
サインイン方法を選択すると、ブラウザウィンドウが開きます。Googleアカウントでログインすることで認証が完了します。
認証完了後、以下のメッセージが表示されます:
「Gemini Code Assistがあなたのアカウントへのアクセスを許可されました」
基本的な使い方
プロンプト入力
CLIに直接プロンプトを入力することで、AIとの対話が開始されます。
例:
Pythonのリスト内包表記の使い方を教えてください。
ファイルの参照
ローカルファイルをアップロードして参照するには、CLIで@を使用してファイル選択ダイアログをトリガーします:
@
ファイル選択ダイアログが表示され、分析したいファイルを選択できます。

VSCodeとの統合:開発効率を最大化する3つの活用法
Gemini CLIの真価は、VSCodeと組み合わせたときに発揮されます。開発環境を離れることなく、AIのパワーを直接活用できる点が最大の特徴です。
VSCodeの統合ターミナルでgeminiを実行し、@コマンドでファイルを選択することで、シームレスな開発体験が実現します。
活用法1:コード理解の高速化
複雑なコードベースの理解に要する時間を大幅に短縮できます。
実践例:
- プロジェクト内のファイルを選択
- 「このコードの概要を説明して」と質問
- 数分で全体像を把握
従来は何時間もかかっていたReactプロジェクトの複雑なコンポーネント分析が、Gemini CLIを使用することで数分で完了します。
活用法2:効率的なコード生成
自然言語の指示だけで、実用的なコードを生成できます。
実践例:
HTMLで五目並べゲームを作って

このような簡単な指示で、基本的な五目並べゲームのコードが生成されます。プロセス中に「書き込みアクセス」を求められた場合は、確認して進めてください。

活用法3:デバッグ時間の短縮
エラーの原因特定と解決策の提案により、デバッグ時間を劇的に短縮できます。
実践例:
- 問題のあるコードをGemini CLIに提示
- 「このエラーの原因は何?」と質問
- 即座に問題点と解決策を取得
従来は何時間もかかっていたデバッグが、数分で解決できるようになります。
便利なヒントとコツ
モデルの自動切り替え
接続が不安定な場合、Gemini CLIは自動的にgemini-2.5-proモデルから、より高速なgemini-2.5-flashモデルに切り替わります。
コマンドヘルプの表示
利用可能なコマンドと使用のヒントを確認するには、CLIで以下を入力します:
/

対象ユーザー
Gemini CLIは、以下のような開発者に最適です:
- 開発者:コード分析とリファクタリングの効率化
- DevOpsエンジニア:ワークフローの自動化
- データアナリスト:自然言語でのデータクエリ実行
Gemini CLIとApidogの連携:API開発の効率化
Gemini CLIでコード生成を行う際、API開発においてはApidogとの連携が効果的です。

Apidogの主な機能
Apidogは、API開発ワークフロー全体を合理化するオールインワンプラットフォームです:
- APIドキュメント作成
- APIデバッグ
- API設計
- APIテスト
- モックサーバー
- 自動化テスト
連携のメリット
Gemini CLIで生成したAPIコードを、Apidogで即座にテストおよびドキュメント化できます。この連携により、以下の効果が得られます:
- API設計からテスト、ドキュメント作成まで一貫した管理
- チーム全体の開発効率向上
- 多言語サポートによる国際的なチーム開発の円滑化
PostmanやSwaggerからの移行
Apidogは、PostmanやSwagger形式との完全な互換性を持ちます。既存データのインポートは非常に簡単で、直感的なインターフェースにより新規ユーザーでもすぐに使い始めることができます。
まとめ
Gemini CLIは、VSCodeと統合することで開発ワークフローを根本的に変革するツールです。コード理解、コード生成、デバッグの各段階で効率が大幅に向上し、開発速度を従来の3倍に高めることが可能です。
Gemini CLIの主な利点
- 慣れ親しんだVSCode環境内でAIを活用
- 思考の流れを中断せずに開発に集中
- 自然言語による直感的な操作
AIツールは日々進化しており、Gemini CLIのような革新的なツールは、開発者の働き方を根本的に変える可能性を秘めています。将来的には、より高度な機能が追加され、さらに多くの開発タスクを最適化できるようになるでしょう。
Apidogと組み合わせることで、コード生成からAPI開発、テスト、ドキュメント作成まで、開発サイクル全体を効率化できます。ぜひVSCodeでGemini CLIを試し、新しい開発の可能性を体験してください。




