WebSocketとHTTPとも、Webアプリを開発する際によく使われるプロトコルになります。本文では、WebSocketとHTTPという2つのプロトコルの基本情報を紹介した上、この2つのプロトコルの違いを完全に解説していくと思います。また、非常に使いやすいAPI管理ツールを使って簡単にWebSocketとHTTP APIを利用&テストする方法も皆さんに紹介します。
Apidogを使えば、非常に直感的なGUIでWebSocket APIでもHTTP APIでも簡単に利用したり、テストしたりすることができます
WebSocketとHTTPについて
WebSocketとHTTPとも、Webアプリを開発する際によく使われるプロトコルになります。次は、この2つのプロトコルについて詳しく紹介します。
WebSocketとは
WebSocketはWebブラウザとWebサーバー間で双方向の通信を行うための通信プロトコルです。従来のHTTPプロトコルとは異なり、WebSocketでは通信が確立された後、サーバーとクライアント間で自由にデータのやり取りができます。

主な特徴として、次のような点が注目されています:
双方向通信
サーバーからクライアントへ、クライアントからサーバーへと、双方向での通信が可能です。
フルデュプレックス通信
送信と受信を同時に行えるため、リアルタイムなデータのやり取りが可能です。
シングルTCP接続
HTTPのようにリクエスト毎に新しい接続を作る必要がなく、1つのTCP接続で通信できます。
ヘッダオーバーヘッドが小さい
HTTPに比べてヘッダが小さいため、通信の効率が良くなります。
HTTPとは
その一方で、HTTP (Hypertext Transfer Protocol) とは、World Wide Web上でデータを転送するための application層のプロトコルです。HTTPはインターネットの中核を成すプロトコルで、Webブラウザ、Webサーバーを問わず広く実装されています。またRESTfulなWebサービスAPIの基盤としても利用されています。
また、HTTPはリクエスト・レスポンスのやりとりが基本で、リアルタイムの双方向通信には向いていないため、そういったユースケースではWebSocketなどの別のプロトコルが使われます。
WebSocketとHTTPとの違い
上記の紹介文から、WebSocketとHTTPといった2つのプロトコルの間に、大きな違いがあることがわかるのでしょう。それでは、WebSocketとHTTPの主な違いはなんですか?次は、通信モデル、接続、データ転送やリアルタイム性などの7方面から説明していこうと思います。
1. 通信モデル
- HTTP: クライアント-サーバーのリクエスト-レスポンスモデル
- WebSocket: 全二重通信が可能な双方向通信モデル
2. 接続
- HTTP: リクエストごとに新しい接続を確立し、レスポンス後に切断
- WebSocket: 初回のハンドシェイク後、一つの長期的な接続を維持
3. データ転送
- HTTP: クライアントからサーバーへのリクエストに対してのみデータを転送
- WebSocket: クライアントとサーバーの両方向で自由にデータを転送可能
4. リアルタイム性
- HTTP: データをリアルタイムで転送することは難しい
- WebSocket: 永続的な接続により、リアルタイムデータ転送が可能
5. プロトコル
- HTTP: テキストベースのプロトコル
- WebSocket: バイナリプロトコル (HTTPハンドシェイクの後に切り替わる)
6. オーバーヘッド
- HTTP: 各リクエストでTCP接続の確立/切断が必要でオーバーヘッドが大きい
- WebSocket: 初回のハンドシェイク後は軽量なヘッダーでデータ転送が可能
7. サーバープッシュ
- HTTP: サーバーからクライアントにデータをプッシュするのは難しい
- WebSocket: サーバーからクライアントへデータをプッシュできる
WebSocketは長期的な双方向通信を効率的に行えるため、リアルタイムデータ転送を必要とするユースケース (チャット、ゲーム、コラボツールなど) で有利です。一方、HTTPは単一のリクエスト-レスポンスに適しています。
WebSocketとHTTPの利用シーンの違い
上記のように、WebSocketとHTTPは、様々な違いがありますので、両者の主な利用シーンも次のようにずいぶん違っています。
WebSocketの利用シーン
⒈リアルタイムデータ通信が必要なアプリケーションはWebSocketが利用されることが多い
- チャットアプリ
- コラボレーションツール
- オンラインゲーム
- 株価やセンサーデータのリアルタイムストリーミング
- 進捗状況の継続的な更新など
⒉サーバーからクライアントへの継続的なデータプッシュが必要な場合、WebSocketが汎用される
- 通知システム
- ライブ配信
- リアルタイムモニタリングなど
⒊長期間の双方向通信セッションが必要な場合、WebSocketが汎用される
- コーディング環境のリアルタイム同期
- リモートデスクトップ制御
- オンラインホワイトボードなど
HTTPの主な利用シーン
⒈基本的なWebブラウジングでHTTPが利用される
⒉データ更新の頻度が低い、もしくは一方向の場合 、HTTPを利用することが多い
- Webページの取得
- APIデータの取得
- ファイルのアップロード/ダウンロードなど
⒊リアルタイム性が求められない簡単な双方向通信ではHTTPが利用される
- フォーム送信
- シンプルなリクエスト・レスポンスインターフェース
⒋ステートレスな通信が望ましい場合、HTTPが利用されることが多い
- 認証を必要としない公開APIなど
ということで、HTTPは伝統的なウェブ通信に適していますが、WebSocketはリアルタイム双方向通信を効率的に実現できるため、近年ではより動的でインタラクティブなWebアプリケーションの需要から利用が増えています。
Apidog:WebSocketやHTTP APIにも完璧に互換可能
WebSocketかHTTP APIを利用してアプリケーションを開発する際に、これらのAPIをテストして、その正確な動作を保証することが必要となります。このような場合は、Apidogという包括的なAPI管理ツールを利用することがおすすめです。
Apidogは、APIの設計、ドキュメンテーション、テストやモックサーバーにも対応可能なAPI管理ツールですが、WebSocket、HTTP、gRPCなどのAPIプロトコルにも完璧に互換できます。Apidogを使えば、非常に直感的なGUIでWebSocket APIでもHTTP APIでも簡単に利用したり、テストしたりすることができます。
ApidogでHTTP APIを利用する
ステップ⒈Apidogを開き、「新しいAPI」をクリックして、単体テストを行うAPIを新規に作成します。
ステップ⒉APIが使用するHTTPメソッドを選択した上、エンドポイントのURLを入力します。
ステップ⒊APIの仕様書に記載されているように、必要なパラメータなどの情報を記入して送信ボタンをクリックして、APIのリクエストを送信して、レスポンスを取得します。

ApdiogでWebSocketをテストする
また、ApidogでWebSocketをテストするために、ApidogでWebSocketリクエストを新規に作成すると、次のようなステップを参照して、WebSocketを利用したり、テストしたりすることが可能です。
ステップ⒈WebSocketのサーバーに接続
ApidogでWebSocketの疎通確認を行う場合、まずはWebSocketのリクエストを作成して、URL、メッセージなどの各パラメータを記入する必要があります。

「接続」ボタンをクリックして、WebSocketサーバーに接続します。

ApidogはWebSocketサーバーへの接続に成功した場合、提示メッセージが返されます。

ステップ⒉WebSocketのリクエストを送信
「送信」ボタンをクリックして、メッセージとパラメータをWebSocketサーバーに送信できます。

ステップ⒊WebSocketサーバーとの通信
リクエストを送信した後、サーバーからメッセージを受信することもできます。例えば、サーバー側が秒単位でクライアントにタイムスタンプを送信することができます。

ステップ⒋WebSocketサーバーとの接続を切断
WebSocketサーバーから接続を切断したい場合、「切断」ボタンをクリックします。

接続が成功に切断された場合、Apidogで提示メッセージが表示されます。

まとめ
本記事では、WebSocketとHTTPの違いについて詳しく解説しました。主な内容は以下の通りです。
- WebSocketとHTTPの概要と特徴を紹介しました。WebSocketは双方向通信が可能で、リアルタイムなデータのやり取りに適しています。一方、HTTPはリクエスト・レスポンス型の通信モデルで、一般的なWeb通信に広く使われています。
- WebSocketとHTTPの違いを、通信モデル、接続、データ転送、リアルタイム性などの7つの観点から比較しました。WebSocketは長期的な双方向通信に適しているのに対し、HTTPは単発のリクエスト・レスポンスに適しています。
- WebSocketとHTTPの主な利用シーンを紹介しました。WebSocketはチャットアプリ、リアルタイムモニタリングなどのリアルタイム性が求められる場面で利用されます。HTTPは一般的なWebブラウジングやシンプルなデータのやり取りに使われます。
- WebSocketやHTTP APIの利用やテストに便利なAPI管理ツール「Apidog」の使い方を紹介しました。ApidogではGUIベースでWebSocketやHTTPのAPIを簡単に利用・テストできます。
WebSocketとHTTPはそれぞれ異なる特性を持ち、用途に応じて使い分ける必要があります。近年ではリアルタイム性が求められるアプリケーションが増えており、WebSocketの利用場面が増えています。開発者はアプリケーションの要件に合わせて適切なプロトコルを選択し、Apidogのようなツールを活用してAPIの利用やテストを効率化することが重要です。