HTTP APIでは、JWT認証を利用して、ユーザーの認証とAPIアクセス制御を実現していることがよく見られます。本文では、HTTP APIとJWT認証の基本情報を紹介した上、非常に使いやすいAPI管理ツールのApidogでHTTP APIのリクエストを送信する時に、JWT認証を簡単に行う方法を皆さんに紹介します。
HTTP APIについて
HTTP API とは、HTTP プロトコルを利用してコンピューター間の通信を行うためのインターフェイスのことです。具体的には、HTTP のリクエストメッセージを送信することで、サーバー上で特定の処理を実行させたり、データを取得したりすることができます。
HTTP API の主な特徴は以下の通りです。
- HTTPプロトコルをベースとしているため、Webシステムに容易に統合できる
- TLS(SSL)による暗号化通信が可能でセキュリティが高い
- JSONやXMLなどのフォーマットでデータをやり取りできる
- ブラウザやコマンドラインから簡単に利用できる
- プラットフォームに依存しないクロスプラットフォームなAPI
代表的なHTTP APIとして、Twitter APIやGitHub API、Google Maps APIなどのWebサービスが提供しているAPIがあります。アプリケーションからこれらのAPIを呼び出すことで、サービスにアクセスし様々な機能を実現できます。HTTP APIはアプリケーション開発に欠かせない技術として多くの場面で利用されています。
JWT認証について
JWT (JSON Web Token) とは、JSON形式で記述されたトークンの一種です。JWTには3つの要素が含まれています。
- ヘッダー (Header): トークンのタイプとハッシュアルゴリズムなどのメタデータ
- ペイロード (Payload): トークンに含まれる実際のデータ
- 署名 (Signature): ヘッダーとペイロードを元に計算される電子署名
これらはドット(.)で区切った文字列として表現されます。
xxxxx.yyyyy.zzzzz
JWT の特徴として、独自の署名機能によりデータの改ざん検知が可能であることがあげられます。またトークン単体でデータを含むため、サーバーでのデータ参照が不要なステートレスな認証が実現できます。これらの利点から、Web API等での認証・認可によく利用されるようになっています。


HTTP APIでJWT認証の活用
HTTP APIにJWT(JSON Web Token)認証を導入してユーザー認証とアクセス制御を実現しています。HTTP APIでJWT認証を活用する流れは主に次ようになります:
- ユーザーが認証エンドポイントにリクエストを送信する
- 認証サーバーがユーザー名とパスワードで認証を行う
- 認証に成功した場合、ユーザーのuserIDとアクセス権限の情報を payload としたJWTアクセストークンを発行する
- 発行したJWTはヘッダーのAuthorizationフィールドに格納してAPIサーバーへ送信する
- APIサーバーはJWTの検証を行いsignatureの正当性や有効期限切れをチェックする
- 検証に成功した場合、ペイロードに含まれるユーザーの権限スコープでAPIのアクセスを許可する
- 定期的にトークンの更新を行うことでセッションを管理し続ける
このようにしてAPIサーバー上でユーザーの認証と認可をJWT経由で行うことができます。トークンは短時間で無効化できるため、セキュリティ対策がしやすいというメリットもあります。
HTTP APIでJWT認証のメリット
HTTP APIにJWT(JSON Web Token)認証を採用することで、たくさんのメリットが得られることが可能です。次は、HTTP APIでJWT認証の主なメリットを皆さんに紹介します。
1. セッション状態の保持が不要でスケールしやすい
- JWTは状態レスなトークン認証のため、サーバー側にセッションデータを保持する必要がない
- このおかげでサーバーはスケールアウトしやすく、ロードバランサでの管理も容易
2. 信頼性とセキュリティ性が高い
- JWTには署名が含まれているので、トークンの改ざんが困難
- 通信経路上で盗聴されても内容は暗号化されている
- 有効期限やブラックリストによる管理が可能
3. 複数のAPIで利用できる
- 1つのJWTトークンで、複数のAPIサービスを利用できる
- マイクロサービスアーキテクチャに適合しやすい
4. 複数ドメインの利用が容易
- SSO(シングルサインオン)を実現しやすい
- ユーザー体験の統一性と利便性を高められる
5. OAuthよりも導入しやすい認証フロー
- OAuthよりも認証処理の複雑性が低く速度的メリットも大きい
以上のように、スケーラビリティとセキュリティの両面で、JWT認証を活用できます。
ApidogでHTTP APIにJWT認証を簡単に実装する
HTTP APIにリクエストを送信する時、JWT認証を行う必要がある場合、どうしたらいいですか?次は、Apidogという非常に使いやすいAPI管理ツールを使って、簡単にJWT認証を行う方法を紹介します。Apidogは、API開発の全ライフサイクルでも利用可能なツールとして、API設計、仕様書生成、テスト、モックサーバーなどにも対応できるツールになります。
HTTP APIにJWT認証を実装するには、Apidogを開き、APIリクエストの送信画面で「Auth」タブに切り替えると、タイプを「JWT」に指定することができます。そして、同じ画面でJWTの詳細情報を記入して、「送信」ボタンをクリックすれば、簡単にJWT認証を行うことができます。

このように、ApidogというGUIツールを使って、非常に直感的な操作でJWT認証を行うことができるので、開発者にとって非常に重宝のツールになるのでしょう。
まとめ
HTTP APIにJWT認証を導入することで、ステートレスなトークン認証によるスケーラビリティの向上、信頼性とセキュリティの向上、複数サービス・複数ドメインでの利用容易性など、多くのメリットが得られます。
この記事では、こうしたJWT認証の概要とメリットに加え、GUIベースのAPIツールApidogを利用すれば、容易にJWT認証を試すことができる点も紹介しました。HTTP APIでJWT認証が必要となる場合は、ぜひApidogを試してください。