APIの構築方法
APIの構築は、単にサーバーサイドのコードを書くだけではありません。複数の段階からなる包括的なプロセスです。各段階には重要なステップが含まれており、ワークフローを標準化することで、開発体験と全体的な一貫性の両方を向上させることができます。
準備
準備段階は、API構築の出発点です。ビジネス要件の理解、コアコンセプトと用語の明確な定義、採用するアーキテクチャスタイル(REST、GraphQL、gRPCなど)の決定に焦点を当てます。同時に、今後の設計および開発フェーズの一貫した基盤を築くために、エンドポイントの命名、ステータスコード、バージョン管理などの設計規則を確立することが不可欠です。
1 ビジネス要件分析 ▼
APIを構築する最初のステップは、それが解決しようとしている問題を理解することです。これには、プロダクトマネージャーやビジネス関係者との密接なコミュニケーション(理想的にはレビュー会議を通じて)が含まれ、コア要件を明確にします。このAPIの目的は何ですか?どのような具体的なビジネス目標をサポートすべきですか?対象ユーザーは誰ですか?どのようなシナリオで利用されますか?設計フェーズに進む前に、これらすべてを把握する必要があります。
要件が収集されたら、すべてを一度に実装しようと急がないでください。まず優先順位を付けます。最も重要で不可欠な機能(最小実行可能製品(MVP))を特定し、それらを最初に構築します。追加機能は後で段階的に追加できます。これにより、チームは最高の価値を提供することに集中し、将来のイテレーションに向けた明確な道筋を設定できます。
2 ドメインセマンティクスの定義 ▼
ビジネス内の主要な「概念」を理解することは、優れたAPIを設計するための基本です。例えば、Eコマースシステムでは、「ユーザー」、「製品」、「注文」といった用語が実際に何を意味するのかを明確にする必要があります。これは、技術チームがこれらの概念の意味と根底にあるロジックを完全に把握していることを確認するために、ビジネス関係者やプロダクトマネージャーと頻繁にコミュニケーションを取る時期です。
次に、「ビジネス用語集」を作成して用語を標準化し、全員が同じものを参照するようにします。例えば、「注文ステータス」としてどのようなものが可能ですか?各ステータスは何を意味しますか?これを事前に明確にすることで、誤解を避け、その後のコラボレーションを円滑に進めることができます。
3 技術アーキテクチャの評価 ▼
適切なAPIアーキテクチャスタイルと通信プロトコルを選択することは、技術的なソリューションをビジネスニーズに合わせる上で極めて重要であり、プロジェクト全体の成功を左右する重要なステップです。
APIにどのアーキテクチャスタイルを使用するかを決定する必要があります。REST、GraphQL、gRPCのどれを選ぶべきでしょうか?それぞれのオプションには長所と短所があります。決定は、次のようなプロジェクトの実際の要件に基づいて行うべきです。
- フロントエンドチームはAPIをどのように利用することを好むか?
- システムには特定のパフォーマンス要件があるか?
- チームは選択したテクノロジーに精通しているか?
- 将来的なスケーラビリティが期待されるか?
アーキテクチャの決定は、理論だけで行うべきではありません。テクノロジーの背後に活発なコミュニティがあるか、成熟したツールが利用可能であるかどうかも考慮することが重要です。そうしないと、車輪の再発明に終わる可能性があります。決定が下されたら、その特定のアプローチが選択された理由を説明する「アーキテクチャ決定記録」(ADR)を作成することをお勧めします。これにより、現在のチームメンバーが根拠を理解し、将来の保守担当者が迅速に理解しやすくなります。
一般的なAPIアーキテクチャスタイル/通信プロトコルは以下の通りです。
4 標準とガイドラインの確立 ▼
API設計標準を定義する目的は、インターフェースを構築する際に全員が一貫した一連のルールに従い、断片化されたり一貫性のない実装を避けられるようにすることです。
統一されたガイドラインにより、開発はより効率的になり、保守が容易になります。例えば:
-
命名はどのように標準化すべきか?
リソース名は複数形か単数形か?フィールド名はキャメルケース(例:
camelCase
)かスネークケース(例:snake_case
)か? - URLはどのように設計すべきか? 許容されるネストのレベルはいくつまでか?クエリパラメータはどのように構造化すべきか?
-
HTTPメソッドはどのように使用すべきか?
RESTfulの慣習に厳密に従うべきか、それともすべてのリクエストを
POST
で送信すべきか? - エラーはどのように処理すべきか? 一貫したエラーコードを持つ標準化されたエラー応答形式があるべきか?
- ......
これらの標準が確立されれば、開発者は統一されたアプローチでAPIを作成でき、エラーを減らし、フロントエンドとバックエンドチーム間のコラボレーションを向上させます。これらの標準は固定されたものではなく、チームが経験を積み、ベストプラクティスを共有の「API設計ガイドライン」として洗練するにつれて、時間とともに進化することができます。
Apidogを使用してAPI設計標準を一元的に管理することは、チームのコラボレーションを向上させるだけでなく、これらの標準がツールを通じて強制され、継続的な進化とコンプライアンスを可能にします。
