GETリクエストの送信時に、ヘッダーは非常に重要な役割を果たしています。本文では、ヘッダーの基本情報を紹介した上、GETリクエストで利用可能なヘッダー一覧を皆さんに紹介します。また、非常に便利なAPI管理ツールのApidogを使って、ヘッダーを簡単に指定してGETリクエストを送信する方法を解説していこうと思います。
リクエストのヘッダーとは?
リクエストのヘッダーとは、HTTPリクエストに含まれる付加的な情報を表すヘッダーフィールドのことを指します。
リクエストヘッダーの種類
リクエストヘッダーには、以下のような種類があります。
- 一般ヘッダー
- リクエストの基本情報を表す。例:
Host
、User-Agent
、Referer
など - リクエストヘッダー
- リクエストの条件や制約を指定する。例:
Accept
、Accept-Encoding
、If-Modified-Since
など - エンティティヘッダー
- リクエストボディに関する情報を含む。例:
Content-Type
、Content-Length
など - 認証ヘッダー
- リソースへのアクセス認証情報を含む。例:
Authorization
- Cookie
- サーバーから送信されたCookieを含む
- その他の拡張ヘッダー
- 独自の目的で使われる。例:
X-Request-ID
これらのリクエストヘッダーを使うことで、クライアントはサーバーにリソースへのアクセス条件やクライアントの環境情報などを伝えることができます。サーバー側ではこれらの情報に基づいて、適切なレスポンスを返すことができます。
リクエストヘッダーの役割
APIリクエストを送信する際、リクエストヘッダーによって異なる役割を果たしています。APIリクエストにおいてHTTPヘッダーは以下のような重要な役割を果たします。
- 認証/認可
Authorization
ヘッダーにてAPIキーやアクセストークンなどの認証情報を送信し、APIの利用権限を示します。
- コンテンツネゴシエーション
Accept
ヘッダーで受け入れ可能なコンテンツタイプ(JSON、XML等)を指定し、適切なレスポンス形式を要求します。Content-Type
ヘッダーで送信するリクエストボディのデータ形式を指定します。
- キャッシュ制御
Cache-Control
ヘッダーでキャッシュポリシーを指定し、レスポンスのキャッシュ可否を制御します。
- レート制限対策
X-RateLimit
のようなカスタムヘッダーでAPIの呼び出し制限状況を確認できます。
- コンテキスト情報の提供
Referer
ヘッダーでリクエスト発信元のURLを提供できます。User-Agent
ヘッダーでクライアントアプリの情報を提供できます。
- 追加機能の提供
- カスタムヘッダーを使って、APIの追加機能を利用する情報を送ることができます。
このようにHTTPヘッダーは、APIとクライアントアプリ間での様々なメタデータのやり取りを行い、適切なリソースアクセスと機能利用を実現する重要な役割を担っています。
GETリクエストで利用可能なヘッダー一覧
それでは、GETリクエストを送信する際、利用可能なヘッダーはなんですか?次は、GETリクエストで利用可能なヘッダー一覧を紹介した上、それぞれの役割をも解説していこうと思います。
一般ヘッダー
- Host: リクエスト先のホスト名とポート番号
- User-Agent: リクエストを送信したクライアントソフトウェアの情報
- Referer: リクエストの発信元URL
リクエストヘッダー
- Accept: クライアントが受け入れ可能なコンテンツ形式
- Accept-Charset: 受け入れ可能な文字エンコーディング
- Accept-Encoding: 受け入れ可能なコンテンツエンコーディング
- Accept-Language: 受け入れ可能な言語
- If-Match/If-None-Match: リソースのETagによる条件付き取得
- If-Modified-Since/If-Unmodified-Since: 最終更新時刻による条件付き取得
- If-Range: 部分取得の開始位置を指定
- Range: 取得するデータの範囲を指定
- Cache-Control: キャッシュに関する制御情報
- Pragma: キャッシュに関する指示
認証ヘッダー
- Authorization: 認証のための資格情報
- Cookie: サーバーから送信されたCookie
その他のヘッダー
- Max-Forwards: プロキシの最大転送数
- Proxy-Authorization: プロキシサーバーへの認証情報
- TE: 転送エンコーディングに関する指示
- Trailer: チャンク転送の追加フィールド情報
- Transfer-Encoding: エンコード形式の指定
- Upgrade: 通信プロトコルのアップグレード要求
- Warning: 警告メッセージ
- Expect: 特定の応答を期待する条件
- Via: プロキシ経路情報
- X-Forwarded-*: プロキシをまたいだクライアント情報
- DNT: トラッキングの拒否設定
- X-*: 実装ごとに拡張された独自のヘッダー
これらのヘッダーを使うことで、クライアントからサーバーへリソース取得条件や環境情報を伝えることができます。
GETとPOSTリクエストで利用可能なヘッダーは一緒?
GETリクエストとPOSTリクエストで利用可能なHTTPヘッダーは基本的に同じですが、いくつか違いがあります。共通して利用可能なヘッダーには以下のようなものがあります。
- Host
- User-Agent
- Accept
- Accept-Encoding
- Accept-Language
- Authorization
- Cache-Control
- Referer
- Cookie
上記に加えて、POSTリクエストではリクエストボディを含むため、以下のエンティティヘッダーを利用できます。ただし、一方、GETリクエストではリクエストボディが基本的に存在しないため、エンティティヘッダーは利用されません。
- Content-Type
- Content-Length
さらに、PUTやPATCHといったリクエストメソッドではCondition要求ヘッダーを利用できます。
- If-Match
- If-None-Match
- If-Modified-Since
- If-Unmodified-Since
このように、基本的にはほとんどのヘッダーは共通ですが、リクエストメソッドの性質によって、一部利用可能なヘッダーが異なります。開発者はメソッドに応じて適切なヘッダーを利用する必要があります。
Apidogでヘッダーを指定してGETリクエストを送信
それでは、ヘッダーを自分で指定してGETリクエストを送信するには、Apidogは非常に便利なオプションになります。Apidogは、HTTPプロトコルに完璧に互換しているため、リクエストを送信するときに、ヘッダーを編集したり、リクエストヘッダーとレスポンスヘッダーを確認したりすることが簡単に実現されています。
Apidogで新しいGETリクエストを作成すると、「Headers」タブに切り替えます。ここで、「パラメータ名」の入力ボックスをクリックすると、利用可能なフィールドが表示されます。そこから必要なパラメータを選択して、パラメータ値を入力することで、リクエストのヘッダー情報を自分でカスタマイズすることが可能です。

また、「送信」ボタンをクリックして、リクエストを送信してサーバーからレスポンスを取得できます。レスポンスヘッダーを確認するには、レスポンスエリアで「Headers」タブをクリックしてください。

また、「実際のRequest」タブに切り替えると、実際に送信したリクエストヘッダーの情報を確認することもできます。

まとめ
HTTPリクエストヘッダーは、クライアントからサーバーへリクエスト条件や環境情報を伝える重要な役割を担っています。GETリクエストでは、一般ヘッダー、リクエストヘッダー、認証ヘッダー、その他のヘッダーなどを利用できます。これらのヘッダーを適切に指定することで、リソースの条件付き取得、キャッシュ制御、認証/認可、コンテンツネゴシエーション、追加機能の利用などが可能になります。
GETリクエストを送信する際は、API管理ツールのApidogを活用するとヘッダーを簡単に指定でき、送信したリクエストヘッダーやレスポンスヘッダーを確認することもできます。Apidogは開発者がAPIを効率的に設計、テスト、ドキュメント化するのに役立つ強力なツールです。
HTTPヘッダーを適切に使いこなすことで、APIの機能を最大限に活用でき、よりシームレスで確実なリソースアクセスが可能になります。開発者は、APIの設計やインテグレーションの際にヘッダーの役割を理解し、適切に指定することが重要です。