多くの方は、ステートレスという原則を耳にしたことがあるのでしょう?このステートレスとは何ですか?ステートレスとよく一緒になっているHTTPとRESTがありますが、ステートテスとこの2つの概念の間で、どのような関連があります?
ステートレスとは
ステートレス(Stateless)とは、あるシステムやプロトコルが状態を持たないことを指します。状態(ステート)とは、情報やデータの特定の状態やコンテキストのことを指します。
ステートレスなシステムでは、それぞれのリクエストやトランザクションは個別に処理され、以前のリクエストやトランザクションとの関連性や依存関係を持ちません。システムは、各リクエストやトランザクションを単独の要求として扱い、その処理に必要な情報はその都度提供されます。
一方、ステートフル(Stateful)なシステムでは、システムが過去の状態やセッション情報を保持し、リクエストやトランザクションの処理においてそれらの情報を利用します。ステートフルなシステムでは、クライアントとサーバー間でセッション情報を共有する必要があります。
これらの概念への理解を深めるため、例を挙げると、ステートレス(Stateless)はGoogleに、ステートフル(Stateful)はChatGPTに似ています。
- Googleで何かの情報を手に入れるため、キーワードを入力して検索します。Googleで検索する度、Googleは前回検索した内容を覚えていないため、毎回も必要な情報を入力する必要があります。
- ChatGPTで何かを質問する場合、1回のやり取り以内である場合、ChatGPTは先の内容を覚えることができるので、先の情報を重複に入力する必要がなくなります。
つまり、ステートレスの場合、送信側が情報を送って、サーバーがこの情報を処理して、適切なレスポンスを返す時点で、セッション完了になります。ステートフルの場合、先に送信した全ての情報を覚えているまま、全てのやり取りが終わる時点で、セッションが終了します。
ステートレスとHTTP、RESTとの関連性は
ステートレスとHTTPの関連といえば、HTTPプロトコルは、代表的なステートレスなプロトコルになります。HTTPは、各リクエストが独立しており、サーバーはリクエストを受け取った後、それに応じてレスポンスを返すだけであり、クライアントのセッション情報を保持する必要はありません。
また、ステートレスと一緒に、よく耳にしたのにRESTもよくあります。ステートレスとRESTの関連性といえば、REST APIはステートレスなHTTPプロトコルに基づいて作成されたものです。
ステートレスのメリットとデメリット
現在、ステートレスなプロトコルのHTTPを基づくREST APIは、最も流行っている仕様になります。なぜかといえば、スレートレスのメリットから論じる必要があるのでしょう。そこで、次の部分では、ステートレスなシステムのメリットとデメリットを皆さんに紹介します。
ステートレスのメリット
- スケーラビリティ: ステートレスなシステムでは、各リクエストやトランザクションが独立しているため、システムの負荷を均等に分散することが比較的容易です。新たなリクエストが発生しても、以前の状態に依存する必要がないため、システムの拡張性やスケーラビリティが高まります。
- 可用性: ステートレスなシステムでは、各リクエストが個別に処理されるため、一部のノードやサービスが障害を起こしても他のノードやサービスが引き継ぐことが比較的容易です。障害が発生したノードを回復させたり、新たなノードを追加したりする際も、以前の状態に依存する必要がないため、可用性が向上します。
- キャッシュの活用: ステートレスなシステムでは、各リクエストが独立しているため、結果のキャッシュを効果的に活用することができます。同じリクエストが複数回送信された場合でも、以前の状態に依存せずにキャッシュから結果を返すことができるため、処理速度やパフォーマンスの向上が期待できます。
ストートレスのデメリット
- 冗長な情報の再送信: ステートレスなシステムでは、各リクエストに必要な情報を都度提供する必要があります。状態を保持しないため、以前のリクエストで送信した情報を次のリクエストで再度送信する場合があります。これにより、ネットワークのトラフィックや処理時間が増加する可能性があります。
- セッション管理の複雑さ: ステートレスなシステムでは、各リクエストが独立しているため、セッション管理が複雑になる場合があります。セッション情報をクライアント側に保持する必要があるため、セッションの追跡や管理が必要となります。これにはセキュリティ上の課題やクッキーやトークンの管理などが含まれます。
- 機能の制約: ステートレスなシステムでは、各リクエストが独立しているため、一部の機能や操作に制約が生じる場合があります。以前の状態に依存する処理や、トランザクションの一貫性を保つ必要がある場合には、追加の手段や機構を用意する必要があります。
これらは一般的なメリットとデメリットであり、具体的なシステムや使用環境によって異なる場合もあります。ステートレスなアーキテクチャの採用は、システムの要件や制約、設計上の考慮事項に基づいて行う必要があります。
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