APIの速度はリクエストを送信してから、レスポンスを取得するまでの所要時間になります。APIの速度が遅すぎると、ユーザーエクスペリエンスの低下にも繋がります。それでは、APIの速度がなぜか遅くなっていますか?APIの速度が低下している場合、どのように改善することができますか?本文では、APIの速度が遅い原因を解明した上、APIの速度改善の対処法をもみなさんに紹介していこうと思います。
APIの速度について
一般的に、APIの速度は、リクエストを送信してから、レスポンスを取得するまでの所要時間になります。特にAPIプロバイダーにとって、彼らが提供しているAPIの速度は非常に重要です。APIの速度が重要である主な理由は以下の通りです。
ユーザーエクスペリエンスの向上
- 応答が遅いと、ユーザーの待ち時間が長くなり不快感が増す
- ウェブサイトやアプリの滞在時間が短くなる可能性がある
- ユーザーが離れてしまう恐れがある
信頼性とブランドイメージの維持
- 遅いAPIは信頼性が低いと受け取られる
- 競合他社に比べて体験が劣ると、ブランドイメージが低下する
開発者エクスペリエンスの向上
- 開発者が効率的に連携できるかどうかに影響する
- 遅いと開発が非効率になり、コストがかかる
システムパフォーマンスの確保
- 他のシステムとの連携において、遅延が全体に影響する
- リアルタイム処理が必要な場合、遅延は致命的になる
コスト削減
- 過剰なリソースの消費につながるため、ランニングコストが増える
つまり、APIの速度は企業のサービス品質に直接影響を与え、ユーザー体験、ブランド価値、開発効率、システム安定性、コストなど、様々な側面で重要になってくるのです。
理想のAPIレスポンス速度
それでは、どれくらいのAPIレスポンス速度が理想的になれますか?実際に、APIレスポンスの速度は必ずしも一般的な目安があるというわけでもありません。ただし、業界全体で見ると、以下のような傾向があると考えられています。
- 適切な速度: 200ms以内
- ユーザー体感で問題ない速度: 1秒以内
- ユーザーが気づく遅延: 1秒を超える
- ユーザービリティが低下: 3秒を超える
- ユーザーが離脱し始める: 10秒を超える
つまり、200ms以内が理想的で、1秒以内であれば十分実用的な速度と言えます。ただし、これらの数値は完全な目安に過ぎず、APIの用途やユーザーの期待値により適切な速度は変わってきます。
例えば、リアルタイム性が求められるゲームAPIなどでは100ms以上の遅延は許容できない場合があります。一方、バッチ処理のようなユーザーが待つ必要がないAPIでは数秒の遅延は問題ありません。
そのため、具体的な許容遅延時間はユースケースに合わせて決める必要があり、開発チームとユーザー双方の要求を考慮する必要があります。モニタリングとベンチマークにより、自社のAPIが適切な速度を維持しているかを常に確認することが重要です。
API速度が遅い!その原因は?
一般的には、API速度が遅くなった原因といえば、様々な方面から考える必要があります。主な要因としては次のようなものが挙げられます。
サーバーリソースの不足
- CPUやメモリー、ディスク容量が不足している
- 同時にリクエストを処理しきれない
- データベースへのアクセスが集中している
ネットワーク帯域の不足
- インターネット回線の帯域が狭い
- サーバー間の通信が遅い
非効率的なコーディング
- 最適化されていないコード
- 無駄な処理が多い
- メモリリークがある
キャッシュの未活用
- 静的コンテンツのキャッシュが行われていない
サードパーティのサービス遅延
- 外部APIを利用している場合、そのAPIの遅延の影響
これらの要因を分析し、適切な対策を講じることで、APIの応答速度を改善できる可能性があります。
API速度が遅い時の改善策
上記の内容のように、API速度が遅くなった原因を踏まえて、次のような対策でAPIの速度を改善することができると思います。
サーバーリソースの増強
- CPUコア数、メモリ、ディスク容量を増やす
- 垂直スケーリングまたは水平スケーリングを行う
- ロードバランシングを導入する
ネットワークの最適化
- 帯域を増やすなどネットワークを強化する
- CDNを導入してコンテンツを分散配信する
- サーバーとクライアントの物理的な距離を縮める
コードの最適化
- SQL問合せを最適化する
- 無駄な処理を削除する
- 非同期処理を導入する
キャッシュの活用
- クエリレベルでキャッシュを行う
- オブジェクトレベルでキャッシュ を行う
- キャッシュをインメモリで行う(Redis等)
サードパーティ依存の最小化
- 外部API依存を減らす
- モックを利用するなどして外部リソースへの接続を制限する
これらの対策は状況に合わせて組み合わせて実施することが重要です。また継続的にモニタリングとチューニングを行い、APIの最適なパフォーマンスを維持する必要があります。
ApidogでAPIの速度を計測する
APIの速度がどれくらいになっているかを知りたい場合、ApidogというAPI管理ツールを利用して、APIのレスポンス速度を簡単に計測することができます。
Apidogでリクエストを送信して、レスポンスが取得されると、APIレスポンスに所要時間が自動的に表示されます。ガーソルを時間に置くと、所要時間の詳細も表示されますので、APIの速度を計測するために、Apidogは非常に便利なツールです。

また、単一リクエストのレスポンス時間は、APIサーバーの負荷が低い状態での理想的な値を示しますが、実際の運用環境ではリクエストが同時に大量に発生する可能性があります。このような状況では、APIサーバーのリソース(CPU、メモリ、ネットワーク帯域など)の制約によって、レスポンス時間が大幅に遅延する可能性があります。

このような場合、Apidogを利用して、APIのパフォーマンステストを行うことで、APIに負荷をつけながら、APIレスポンス速度の推移を確認することも可能です。

まとめ
APIの速度は、ユーザー体験、ブランド価値、開発効率、システムパフォーマンス、コストなど、さまざまな側面で重要な要素となります。理想的なAPIレスポンス時間は200ms以内ですが、用途によって適切な速度は変わってきます。
APIの速度が遅くなる原因としては、サーバーリソースの不足、ネットワーク帯域の不足、非効率的なコーディング、キャッシュの未活用、サードパーティサービスの遅延などが挙げられます。これらの原因に対して、サーバーリソースの増強、ネットワークの最適化、コードの最適化、キャッシュの活用、サードパーティ依存の最小化などの対策を講じることで、APIの速度を改善することができます。
APIの速度は常にモニタリングし、継続的な最適化を行うことが重要です。適切なAPIレスポンス速度を維持することで、ユーザー満足度の向上やコスト削減につながり、ビジネスにとって大きなメリットがもたらされます。