Muse Wonder vs Muse Wonder Full:2つのサイズの違いを徹底解説

Muse Wonder(API、$4/$20)対 Muse Wonder Full(Muse Code限定、$50~):ベンチマークの差を行ごとに整理し、コストと、出荷するものがすべて小さい方のモデルで動く理由を解説します。

Medy Evrard

16 10月 2026

Muse Wonder vs Muse Wonder Full:2つのサイズの違いを徹底解説

Apidog エンタープライズ

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Muse WonderとMuse Wonder Fullは、2026年10月12日に同時リリースされた、同じMetaモデルファミリーの2つのサイズです。名前は似ていますが、入手方法も価格体系もまったく異なります。そのうち実際に呼び出せるのはWonderの方です。Meta Model APIではmuse-wonder-1.0として100万トークンあたり$4 / $20で利用でき、すべてのMuse Codeプランに搭載されています。一方、Metaの主力ベンチマークが語っているのはWonder Fullの方です。Artificial Analysisのインデックスで4ポイント高く、長時間のコーディング作業や法律業務で優位に立ち、利用できるのは月額$50または$200を支払うMuse Code購読者だけで、APIはなく、トークン単価も公開されていません。まずは、この非対称な関係を順番に見ていきましょう。

開発者にとって、この違いこそがすべてです。この記事では、何が違い、何が同じか、それぞれが実際にどれほどのコストになるか、そして自分のワークロードにどちらが必要かをどう判断するかを整理します。結論を先に言えば、APIで呼べるのはWonderだけで、Fullはベンチマークの上にしか存在しません。このファミリーが初めての方は、まずMuse Wonderの解説記事からどうぞ。

2つのモデルを並べて比較

Muse Wonder Muse Wonder Full
モデルID muse-wonder-1.0 muse-wonder-full-1.0(Muse Code限定)
APIアクセス あり:Responses、Chat Completions、Messages なし
Muse Codeプラン Everyday($5)以上 Power($50)、Maximum($200)
トークン単価 $4 入力 / $20 出力 / キャッシュ $0.20 公開なし
コンテキストウィンドウ 100万トークン 100万トークン
入力 テキスト、画像、動画、音声 同じ
Artificial Analysis Intelligence Index 52 56
Coding Agents Index 63 68
ハルシネーション率(AA) 27% 23%
サードパーティーゲートウェイ Vercel、Cloudflare なし
ウェイト 非公開 非公開

Metaが説明しているアーキテクチャ上の特長、Active Memory、Active Focus、マルチモーダル入力、コンピュータ操作、サブエージェントへの委任は、どちらにも当てはまります。つまり、後述する違いは性能の差であって、できることの差ではない点に注意してください。違いはスケールです。Metaによると、Fullは未知のタスクにおいてMuse Sparkの傾向線の予測を上回る性能を示し、その理由をより大きなベースモデルに帰しています。

Fullが優位になる場面

reasoning effortを最大にして実行したMetaのモデルカード:

ベンチマーク Wonder Full Wonder 差
Harvey LAB-AA(法律) 13.1 10.0 +3.1
AutomationBench-AA 45.4 39.1 +6.3
JobBench 75.3 70.5 +4.8
SWE-Marathon 57.5 53.1 +4.4
Terminal-Bench 4.0-AA 57.1 52.0 +5.1
HealthBench Pro 62.3 60.5 +1.8
DeepSWE 1.1 79.0 78.8 +0.2

Artificial Analysisによる独立計測も方向性では一致しています。総合スコアはFullが56に対しWonderは52、Terminal-Bench 4.0は57%対52%、Coding Agents Indexは68対63で、ハルシネーション率もWonderより低くなっています(23%対27%)。Active Focusの裏にある持続性テスト、Meta内部のFocusBenchでは、Fullが54.2%で全モデルをリードし、Wonderは44.9%にとどまり、GPT-6 AstraとClaude Opus 5.5を下回ります。

例外が1つあります。MetaのMemoryBenchでは、Wonderが85.6対85.5でFullをわずかに上回ります。メモリの維持については、両者互角と言ってよい結果です。

つまり、Fullとの差は本物ですが、タスクの種類によって偏りがあります。短いソフトウェアタスク(DeepSWE)では差は消えます。長時間の、障害の多い作業、つまりMetaがこのファミリーを開発したカテゴリーでは、差は4~6ポイントになります。Coding Agents Indexでは、FullはSonnet 5.5を動かすClaude Codeと68で並び、66のOpus 5.5を上回ります。Wonderは63で、この3つすべてを下回ります。

それぞれのコスト

Muse Wonderはトークン単位で課金されます。Artificial Analysisの計測では、reasoning effortを最大にした場合のIntelligence Indexタスクあたり$4.52で、Claude Opus 5.5($5.98)を下回り、GPT-6 Astra($3.26)を上回ります。成長するコンテキストを再送する典型的なエージェント実行では、予算の大半が$0.20のキャッシュ済み入力に使われます。これはあくまでリスト価格ベースの話です。具体例は料金の記事で解説しています。

Muse Wonder Fullにはトークン単価がないため、タスクあたりの数値もありません。そのコストはサブスクリプションです。Powerが月額$50(Everydayプランの20倍の利用量)、Maximumが$200(80倍)。どちらも5時間ごとおよび週ごとの利用リセットは共通です。1日中コードを書く個人にとって、月額$50はどんなフロンティアモデルのAPI利用額よりも安いものです。Fullを製品の裏で使いたいチームにとっては、どんな価格でも道はありません。つまり、Fullの実力が必要なら、APIではなくMuse Codeの契約が唯一の入り口になります。

データ利用条件にも注意してください。Muse Codeのサブスクリプションは初期状態でContributorモードになっており、Metaはあなたのプロンプト、コード、出力を学習に使う可能性があります。StandardモードのAPIトラフィックは学習に使われません。Contributorモードのオプトアウトはトグル1つですが、切り替えるまでは有効になっています。学習への利用を避けたいなら、契約後に必ず設定を確認してください。

どちらをベースに開発できるか

ここが実用上の分かれ目です。ユーザーに提供するものはすべてWonder上で動きます。FullにはAPIもゲートウェイもSDKもないからです。Metaの発表資料にあるFullの数値は本物であり、同時に「自分では使えても再販はできないツール」の説明でもあります。見方を変えれば、Fullの数値は現時点では「買えない性能」です。

やりたいこと 使うべきもの
製品からモデルを呼び出す Wonder(API経由)
MetaモデルでClaude CodeやCodexを動かす Wonder(MessagesまたはResponsesエンドポイント経由)
ターミナルで最強のMetaモデルを使ってコーディングする Full(Muse Code PowerまたはMaximum経由)
Metaのフロンティア級の主張を検証する Muse CodeでFullを試し、その後デプロイするものとしてWonderをテストする
使った分だけ支払う Wonder

Metaの開発者ブログによると、FullはMuse Codeサブスクリプションからのみ利用でき、APIの時期は示されていません。状況が変わるまで、「Muse Wonder」と他のAPIとのベンチマーク比較は注意して読みましょう。その数値がFullのものなら、APIモデルの姿を表していないからです。

この壁が実際にどんな代償になるか

WonderかFullかの違いが意思決定を左右する3つの状況です。

MetaのAPIでClaude CodeやCodexを動かしている。Metaのコーディングエージェントガイドでは、両ハーネスをapi.meta.aiに向け、メインモデルにmuse-wonder-1.0、サブエージェントとバックグラウンドタスクにMuse Spark 1.3を使う構成が示されています。この構成で得られるのは、Coding Agents Indexで63のWonderです。Sonnet 5.5上のClaude Codeと並ぶ68は、Muse Code内のFullが持つ数値です。ベンチマーク目当てでハーネスを切り替えるなら、この方法では手に入りません。公開されているベンチマーク数値の一部は、API利用者の手元には届かないというわけです。

製品向けにベンダーを比較している。Metaの発表表にあるFullの数値はすべて、調達判断には無関係です。Fullを呼び出せる製品は存在しないからです。Wonderの行(インデックス52、SWE-Marathon 53.1、知識25)を、実際にデプロイできるモデルと比較してください。調達条件に数値を書き込む前に、この点を押さえておきましょう。

どちらを使っているのかわからない。Muse Codeでは/modelsメニューでアクティブなモデルを確認できます。自身をWonderと名乗る応答はどちらの証拠にもならず、--reasoning-effortフラグがモデルを変えることはありません。APIでは、すべての応答のmodelフィールドがmuse-wonder-1.0を返します。混同できるFullは存在しません。

確認すべき理由はMeta自身のデータが示しています。短いタスクでは両者の差は0.2ポイント以内なので、タスクが長くなるまでどちらが答えたかに気づかないかもしれません。そして、タスクが長くなるほど差は広がります。

自分のワークロードで差を測る

Muse Code Powerプランがあれば、差を自分で測定できます。1つの長いタスク、たとえば30ステップのリファクタリングや複数ファイルのレビューを選び、--model muse-wonder-1.0でMuse Code上で実行し、次に/modelsでFullに切り替えてからもう一度実行して、最終結果と介入回数を比較します。4ポイントの差が自分の仕事にとって重要かどうかがわかります。実行ごとの待ち時間や修正回数も合わせて記録しておくと、判断がしやすくなります。

API側の検証にはApidogを使いましょう。ベンチマークではなく、Wonderが自分の基準を満たすかを確認する場所です。キーをシークレット変数としてResponsesリクエストをセットアップし、実際のプロンプトをeffort設定mediumとmaxで実行し、出力形式をアサートし、コストはusageで確認します。リクエストの内容はAPIガイドにあります。モデルを切り替えてもリクエスト定義はそのまま使い回せます。Apidogをダウンロードして、結果を他のモデル評価のとなりに置いておきましょう。

よくある質問

Muse Wonder FullをAPIで利用できますか?いいえ。呼び出し可能なモデルID、トークン単価、サードパーティーゲートウェイのいずれもありません。利用するにはMuse Codeの契約が必要で、提供時期もMetaから発表されていません。

effortをmaxに設定するとFullになりますか?なりません。effortはWonderの推論時間を制御するだけで、モデルIDは変わりません。

$5のWonderに対してFullは月額$50の価値がありますか?長いタスクで一人でコーディングするなら、Coding Agents Indexの差(68対63)とSWE-Marathonの差(57.5対53.1)は意味があります。短いタスクについては、DeepSWEの結果は両者が同じモデルであることを示しています。デプロイするものにとっては、そもそも選択肢にFullはありません。導入を検討するなら、自分のタスクで差を測ってから判断しましょう。

Museアプリはどちらを使っていますか?Metaは、購読者向けのアプリ体験をまずMuse Wonderが支えるとしています。アプリがFullを得るかについては言及していません。一般ユーザーへの展開は、まだ先の話のようです。

まとめ

開発の土台にするのはWonderです。開発できるのはそれだけだからです。1日中コードを書き、Meta最強のモデルを手元に置きたいなら、Muse CodeでFullを使いましょう。そして、あるチャートが「MetaがコーディングベンチマークでOpus 5.5を上回った」と語るときは、それがどちらのWonderを指すのかを、計画に組み込む前に必ず確認してください。ベンチマークは出発点にすぎず、最後は自分のワークロードで測るのが正解です。

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