APIレスポンスの速度は、APIパフォーマンスの一環として捉えることができ、APIにとっては非常に重要な指標になります。そこで、APIのパフォーマンスを把握し、ユーザーエクスペリアンスを向上するために、よくレスポンスの速度を計測する必要があります。本文では、完全無料で使えるAPI管理ツールのApidogを使って、簡単にAPIレスポンス速度を計測する方法を皆さんに紹介します。
APIレスポンス速度とは?
一般的に、APIレスポンスの速度は、リクエストを送信してから、レスポンスを取得するまでの所要時間になります。APIレスポンスの速度は、API全体的なパフォーマンスの一環として、ユーザーエクスペにも繋がっている重要な指標として捉えることができます。
APIレスポンス速度の重要性
APIのレスポンス速度はAPIの品質に直接影響を与え、ユーザー体験、ブランド価値、開発効率、システム安定性、コストなど、様々な側面で重要になってくるのです。次は、APIレスポンス速度の重要性を論じていきたいと思います。

ユーザーエクスペリエンスの向上
- 応答が遅いと、ユーザーの待ち時間が長くなり不快感が増す
- ウェブサイトやアプリの滞在時間が短くなる可能性がある
- ユーザーが離れてしまう恐れがある
信頼性とブランドイメージの維持
- 遅いAPIは信頼性が低いと受け取られる
- 競合他社に比べて体験が劣ると、ブランドイメージが低下する
開発者エクスペリエンスの向上
- 開発者が効率的に連携できるかどうかに影響する
- 遅いと開発が非効率になり、コストがかかる
システムパフォーマンスの確保
- 他のシステムとの連携において、遅延が全体に影響する
- リアルタイム処理が必要な場合、遅延は致命的になる
コスト削減
- 過剰なリソースの消費につながるため、ランニングコストが増える
なぜかAPIレスポンス速度の計測が必要?
APIのプロバイダー、または開発者として、よくAPIレスポンス速度を計測する必要があります。APIレスポンス速度の計測が必要となっている理由は、主に次のような点が挙げられています:
パフォーマンス監視
APIのレスポンス速度が遅くなると、ユーザーエクスペリエンスが低下します。適切にレスポンス速度を監視し、パフォーマンス問題を早期に発見することが重要です。
ボトルネック特定
APIのレスポンスが遅い場合、その原因をデータベースアクセス、ネットワーク帯域、CPUリソースなどから特定する必要があります。レスポンス速度計測により、ボトルネックとなっている箇所を特定できます。
キャパシティプランニング
APIの利用者が増えるにつれ、リソース需要も高まります。レスポンス速度の推移を分析することで、適切なキャパシティプランニングが可能となります。
サービスレベル契約(SLA)の遵守
APIを提供する事業者は、一定のレスポンス時間をSLAとして顧客に約束しています。レスポンス速度を計測し、SLAを満たしているかを確認する必要があります。
継続的な改善
レスポンス速度の計測データを継続的に収集・分析することで、APIのパフォーマンスを継続的に改善することができます。
このように、APIレスポンス速度の計測は、ユーザー体験の維持、パフォーマンスの最適化、適切なリソース配分などに貢献するため、非常に重要となります。
ApidogでAPIレスポンス速度を簡単に計測
APIレスポンスの速度を計測する必要がある場合、API管理ツールのApidogは非常に便利なツールだと考えられています。Apidogは、単一のリクエストのレスポンス速度を簡単に確認することもできますし、パフォーマンステストを行い、APIに負荷を掛けて実際の作業環境をシミュレートして、APIレスポンス速度の推移を確認することも可能です。
単一リクエストのレスポンス速度を計測
Apidogでリクエストを送信して、レスポンスが取得されると、APIレスポンスに所要時間が自動的に表示されます。ガーソルを時間に置くと、所要時間の詳細も表示されますので、APIの速度を計測するために、Apidogは非常に便利なツールです。

APIに負荷かけてAPIレスポンス速度の推移を計測
単一リクエストのレスポンス時間は、APIサーバーの負荷が低い状態での理想的な値を示しますが、実際の運用環境ではリクエストが同時に大量に発生する可能性があります。このような状況では、APIサーバーのリソース(CPU、メモリ、ネットワーク帯域など)の制約によって、レスポンス時間が大幅に遅延する可能性があります。
ということで、APIのレスポンス速度を正確に評価するためには、単一のリクエストのレスポンス時間を測定するだけでは不十分です。実際の運用環境を模擬したパフォーマンステストを行い、APIに負荷をかけてレスポンス速度の推移を計測することが非常に重要です。
そのため、同じくApidogというツールを使って、APIのパフォーマンステストを行う必要があるのでしょう。こうすると、APIにリクエストを集中的に送信し、段階的に負荷を高めていく必要があります。
ステップ⒈テストインスタンスの作成
Apidogを開き、自動テストモジュールから簡単にテストインスタンスを作成することが可能です。ここで任意のAPIをもテストステップを設定することもできますので、コレクションという制限もありません。

ステップ⒉ワークフローを手動で調整
自分の業務に従って、ワークフローを作成:APIの呼び出しをテストステップとして簡単に追加し、これらのテストステップに対していくつかの条件を設定して、テストステップをどのような順で実行するかというワークフローを直感的なGUIで定義できます。

ステップ⒊パフォーマンステストの実行
右側のメニューで「負荷テスト」を選択して、負荷テストの実装環境、仮想ユーザー数、持続時間などを設定して、負荷テストを実装することができます。

- 仮想ユーザー数:実際の作業中で同時に操作を10個するユーザー数をシミュレートできます。「同時接続ユーザー数」とも呼ばれています。
- 持続時間:パフォーマンスか負荷テストの合計実行時間です。実行中に仮想ユーザーがテストインスタンス内のすべてのリクエストをループします。
- Ramp-up期間:テスト持続時間の最初の何分間は、スレッドが並行のユーザー数を増やしつつ、設定された仮想ユーザー数まで増やしていきます。0に設定すると、テスト開始時から設定された仮想ユーザー数を利用して実行します。
ステップ⒋テストレポートでAPI速度の推移を確認
負荷テストが終わると、「テストレポート」タブをクリックして、非常に詳しい負荷テストのレポートを取得したり、他人に共有したりすることができるようになります。
ここで、APIのレスポンス速度の推移が直感的な図表の形で表示されますし、すべてのリクエストの平均応答時間を確認することもできるので、APIレスポンス速度を計測するのに便利ですね。

また、過去に行った機能テストや負荷テストのレポートをここで確認できます。

まとめ
本記事では、APIレスポンス速度の重要性と、APIレスポンス速度を計測する理由について説明しました。APIレスポンス速度は、ユーザーエクスペリエンス、ブランド価値、開発効率、システム安定性、コストなど、様々な側面で重要な指標となります。
また、無料のAPI管理ツールであるApidogを使って、APIレスポンス速度を簡単に計測する方法を紹介しました。Apidogでは、単一リクエストのレスポンス速度を確認できるだけでなく、パフォーマンステストを実行してAPIに負荷をかけ、実際の運用環境をシミュレートしながらレスポンス速度の推移を確認することができます。
APIレスポンス速度の計測は、パフォーマンス監視、ボトルネック特定、キャパシティプランニング、SLA遵守、継続的な改善など、様々な目的で非常に重要です。APIプロバイダーや開発者は、Apidogなどのツールを活用してAPIレスポンス速度を適切に計測し、APIのパフォーマンスを継続的に改善していく必要があります。