HTTPクライアントツールは、Webアプリの開発やデバッグ、APIテストなどの用途で広く利用されています。それでは、開発の効率化を図るために、どのようなHTTPクライアントツールを選択すれば良いのでしょうか?本文では、最高なHTTPクライアントツールを7選皆さんに紹介していこうと思います。
HTTPクライアントツールとは?
HTTPクライアントツールとは、HTTPプロトコルを使用してウェブサーバーと通信を行うためのソフトウェアのことです。主な機能は以下のようなものがあります。
- URLを指定してウェブサーバーからHTMLファイルやその他のリソースをダウンロードする
- HTTPリクエストの内容(メソッド、ヘッダー、ボディなど)を自由に指定できる
- サーバーからのHTTPレスポンスの内容(ステータスコード、ヘッダー、ボディなど)を確認できる
HTTPクライアントツールは、ウェブアプリケーションの開発やデバッグ、APIテストなどの用途で広く利用されています。
HTTPクライアントツールをどう選択する?
HTTPクライアントツールを選ぶ際は、自分のニーズに合ったものを選ぶとよいでしょう。一般的には、HTTPクライアントツールの使い勝手、機能性、拡張性、価格や学習コストなどの観点から選択するのが多いのです。
使い勝手
まずは使い勝手ですね。基本的には、GUIのものとコマンドラインから直接に実行可能なものに分けられます。
- GUIツール(Apidog、Postman、Insomnia等)はリクエストの構築が直感的でわかりやすい
- コマンドラインツール(cURL、HTTPie等)は端末上で操作するので習熟が必要
機能性
実際作業中のニーズに合ったHTTPクライアントツールを選択しましょう。実際の作業中に、HTTPクライアントツールは、次のような機能を必要とすることも多くみられるのでしょう。
- 認証機能(OAuth、API Key等)のサポート
- リクエスト履歴の保存・編集
- 環境変数・グローバル変数の管理
- テストスクリプトの記述機能
- レスポンスデータの可視化(JSON、XML等)
統合・拡張性
Devopsの観点からでも、アジャイル開発の観点からでも、HTTPクライアントツールの拡張性を考える必要がありますね。
- CI/CDツールとの連携
- API自動テストツールとの連携
- プラグインでの機能拡張の有無
価格
HTTPクライアントツールの中で、無料ツールもあれば、製品化されて有料のものもあります。そこで、HTTPクライアントツールの予算に合わせて、適切なHTTPクライアントツールを選択することができます。
学習コスト
そして、HTTPクライアントツールの学習コストをも考える必要があります。一般的には、ApidogやPostmanなどのGUIツールは学習コストが比較的に低く、CURLやHttpieなどのコマンドラインツールは比較的に高くなっています。また、既に使い慣れているツールがあれば乗り換えコストが発生しますので、そちらも学習コストに含めて考えてください、
上記のように、機能や拡張性、価格、学習コストなどを総合的に判断し、自分のユースケースに最適なツールを選ぶことが賢明です。
最高7選:HTTPクライアントツールのおすすめ
代表的なHTTPクライアントツールには、以下のようなものがあります。
Apidog (GUIツール)
ApidogはGUIのHTTPクライアントツールとして、API設計、APIデバッグ、APIモック、API自動化テストなどの機能にも対応しています。豊富な機能を備えているので、APIドキュメンテーション、テスト自動化、モックサーバーを利用したい場合でも、Apidog一本でニーズが満たされます。また、非常に直感的なUIで、学習コストが低くなります。また、個人ユーザーなら、Apidogが完全無料になり、制限なく利用することができます。
次のスクリーンショットのように、その直感的なUIでHTTPリクエストを簡単に定義して送信すると、レスポンスを簡単に取得することができます。

主な特徴:
- Swagger、OpenAPI、RAML、ApiBlueprintなど、様々なAPI仕様書のフォーマットをサポート
- ドキュメンテーションの生成と共有、カスタムドメインでAPIドキュメントをホスト
- HTTPリクエストの作成から送信、レスポンス確認までを一貫して行える
- リクエストの保存、変数やテストスクリプトの設定などができる
- 豊富なテストとデバッグツールを提供し、パフォーマンステスト、シナリオテストにも対応!APIの問題を迅速に発見し、解決可能
- REST、GraphQL、SOAP、WebSocket、gRPC、Socketなど、主流のAPIにも全対応
- Apidog CLIを提供することで、CI/CDにシームレスに統合可能
- 様々なインテグレーション方式をサポート可能
- 豊富なモニタリングと分析ツールを提供し、APIの性能と使用状況をよりよく理解して最適化可能
- Mock Server機能を提供し、開発とテスト段階で使用できるように、仮想APIサーバーを迅速に構築可能になり、Mock ServerはOpenAPI仕様に基づいてAPIを自動的に生成し、各種HTTPステータスコードとレスポンスをモックし、APIをより効率的にテストしてデバッグすること可能になります。
Postman (GUIツール)
Postmanは、API(Application Programming Interface)開発とテストのための人気のあるツールです。Postmanを使用すると、開発者はHTTPリクエストを作成し、APIエンドポイントに送信することができるので、HTTPクライアントツールとして利用することができます。また、Postmanは、機能豊富なインターフェースを提供し、リクエストの作成や編集、ヘッダーの管理、パラメータの設定、レスポンスの確認などを行うことができます。

主な特徴:
- APIの手動テストがしやすいインターフェイス
- HTTPリクエストの作成から送信、レスポンス確認までを一貫して行える
- リクエストの保存、変数やテストスクリプトの設定などができる
- コレクションやモックサーバーによるテストの自動化が実現できる
- ドキュメントのオート生成、モニタリングやテストレポート機能を備える
- チーム内や外部開発者とのテストコラボレーションに強い
Insomnia (GUIツール)
InsomniaはRESTクライアントツールで、APIの迅速なテストとデバッグできます。直感的で使いやすいUIを提供し、様々なHTTPリクエスト方法、パラメータタイプ、データフォーマットをサポートし、アサーション、コレクションテスト、環境変数などの豊富なテストとデバッグ機能を提供しています。

主な特徴:
- ユーザーフレンドリーのUI:Insomniaは非常にユーザーフレンドリーのUIを提供
- 環境変数へのサポート:Insomniaは環境変数をサポートしているので、テストシナリオの管理が楽に
- CI/CDへの統合:InsomniaはCI/CDインテグレーションに対応
cURL (コマンドラインツール)
cURLとは、コマンドラインからHTTPリクエストを送信するためのオープンソースのライブラリやツールのことです。cURLはAPIテストにおいて重要なツールとして広く利用されています。cURLはコマンドラインツールとして、WindowsのコマンドプロンプトやMacのターミナルから直接に利用できるので、便利です。

主な特徴:
- さまざまなプロトコル(HTTP、HTTPS、FTP、SMTP等)に対応している
- GETやPOSTなどのリクエストメソッドを簡単に指定できる
- ヘッダーやリクエストボディのカスタマイズが簡単
- SSL/TLSによる暗号化通信に対応
- プロキシ経由の通信に対応
- リダイレクト、認証、Cookieの処理に対応
- レスポンスのヘッダやボディを表示できる
HTTPie (コマンドラインツール)
HTTPieとは、コマンドラインからHTTPリクエストを作成し実行できるユーティリティツールです。同じくコマンドラインツールとして、cURLに比べてみると、HTTPieは、レスポンスをフォーマットして表示することができるので、curlよりもシンプルで分かりやすい操作感があります。ただし、HTTPieにはcURLほど豊富なオプションがないので、HTTPieは、大規模データ転送や細かい設定の代わりに、小回りが効くHTTP通信に向いています。
主な特徴:
- シンプルで直感的なインターフェースを持ち、curlよりも扱いやすい
- JSONとXMLのフォーマットした表示とカラーハイライトに対応している
- HTTPメソッド、ヘッダー、データなどの指定が簡単
- 自動的にリクエストデータをJSONとしてエンコードしてくれる
- 設定ファイルによるデフォルト値の指定ができる
Advanced REST Client (ブラウザ拡張機能)
Advanced REST Client(ARC)は、RESTful APIのテストやデバッグ、ドキュメンテーションなどの目的で使用されるChrome拡張機能形態のHTTPクライアントツールです。ARCは、HTTPリクエストを作成し、サーバーに送信し、レスポンスを受け取るためのユーザーフレンドリーなインターフェースを提供します。ARCは、APIエンドポイントに対してGET、POST、PUT、DELETEなどのHTTPメソッドを送信することができます。また、ヘッダー、パラメータ、ペイロードなどのリクエスト情報を設定することもできます。さらに、レスポンスを表示し、ヘッダー、ステータスコード、レスポンスボディなどの情報を確認することもできます。

補足情報:
Advanced REST clientのChromeのウェブストアページにアクセスすると、その概要では、「THIS APPLICATION IS DEPRECATED BY GOOGLE.」という説明があります。日本語にすると、「このアプリケーションはGOOGLEによって廃棄されました。」になります。つまり、Advanced REST clientのChrome拡張機能へのサポートが終了したということになりますね。

公式の対策として、Advanced REST clientの公式サイトでデスクトップ用のアプリケーションをダウンロードすることがおすすめです。
公式サイト:https://www.advancedrestclient.com/
Thunder Client(VSCode拡張)
Thunder Clientは、Visual Studio Codeの拡張機能で、APIクライアントとしての機能を提供するツールです。主な機能として、APIテストの他、コレクション、テストスクリプト、CI/CDインテグレーション、Git連携、ローカルストレージなどが言及されています。VS Codeで大人気なGUIのAPIテストツールとして、多くのユーザーは、Thunder ClientをPostmanの代替品として使用しています。

主な機能:
- GUIベースで、APIのパラメータやヘッダー、ボディなどを設定し、リクエストを送信できる
- レスポンス結果の確認もGUI上で行える
- スクリプト不要でテスト機能があり、レスポンス結果を条件でチェックできる
- リクエストをコレクションとしてまとめられ、一括実行も可能
- 環境変数の機能があり、テスト用と本番用など複数パターンの変数セットを用意できる
- Postmanのコレクションファイルをインポートして利用することもできる
まとめ
HTTPクライアントツールは、APIの開発やデバッグに欠かせない重要なツールです。本記事では、主要なHTTPクライアントツールを7つ紹介しました。
- Apidog (GUIツール)
- Postman (GUIツール)
- Insomnia (GUIツール)
- cURL (コマンドラインツール)
- HTTPie (コマンドラインツール)
- Advanced REST Client (ブラウザ拡張機能)
- Thunder Client (VSCode拡張)
これらのツールにはそれぞれ長所と短所がありますが、使用目的やユーザーのニーズに合わせて適切なツールを選択することが重要です。GUIツールは直感的で使いやすい一方、コマンドラインツールはより高度な操作が可能です。また、拡張性やチーム開発への対応、価格や学習コストなども考慮する必要があります。
APIの開発に携わる方は、これらのHTTPクライアントツールの特徴を理解し、自身のワークフローに最適なツールを活用することで、効率的な開発が可能になります。特に最近注目を集めているApidogは、APIドキュメンテーション、テスト自動化、モックサーバーなど幅広い機能を備えており、APIライフサイクル全体をサポートできる有力なツールです。
HTTPクライアントツールを上手に活用することで、より円滑で生産的なAPI開発を実現できるでしょう。