Web開発の領域で、多くの方はステートフルというものを聞いたことがあるのでしょう?それでは、このステートフルとは何ですか?ステートレスとの違いが分かっていますか?本文では、ステートフルという概念を完全に解説していきたいと思います。また、ステートレスをも対照的に両者の違いを皆さんに解説していきます。
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ステートフルとは?
ステートフル(stateful)とは、WebアプリケーションやAPIの開発において非常に重要な概念です。ステートフルのWebサービスかAPIでは、クライアントとサーバー間の状態(状態情報)を保持することができます。
ステートフルなAPIやWebアプリケーションは、具体的には以下のような特徴があります。
- クライアントからのリクエストに対して、サーバーが前のリクエストの状態やデータを記憶している。
- クライアントとサーバーは連続的な対話(コンバーション)を構成している。
- サーバーはクライアントの状態をセッションなどに保存することができる。
ステートフルなアプリケーションでは、認証や個人化、購入フローといったユーザーとのインタラクションを実現しやすくなりますが、ステートレスなほうがスケールしやすいという長所があります。
ステートフルとステートレスとの比較
ステートフルに対して、ステートレスという概念も存在しています。一番流行っているAPIのアーキテクチャであるREST APIは各リクエストが独立していて、リクエスト間でコンテキストやセッション状態を共有しないのが原則なので、基本的にはステートレスになります。
なぜかステートレスのREST APIはかなり普及されていますか?ステートレスのAPIに比べて、ステートフルのAPIには何か欠点がありますか?この問題を探るために、次は、様々な方面からステートフルとステートレスを比較していきたいと思います。
状態の保持
- ステートフル: サーバー側に状態を保持し続ける
- ステートレス: サーバー側で状態を保持しない
クライアントの状態
- ステートフル: クライアントの状態やセッションをサーバー側で管理
- ステートレス: クライアントが自身の状態を保持し、リクエストに含める
リクエストの取り扱い
- ステートフル: リクエスト間に前後関係があり、連続した処理が可能
- ステートレス: 全てのリクエストが独立しており、並列処理が容易
リソースの特定
- ステートフル: セッションIDなどで対話中のリソースを特定
- ステートレス: リクエストごとにリソースを完全に指定する必要がある
拡張性
- ステートフル: サーバーに状態を保持するため拡張が難しい
- ステートレス: 状態をもたない分拡張しやすい
用途など
- ステートフル: 複雑な処理、個人化、ワークフローなど向き
- ステートレス: 単純なデータ取得、アクセス制御など向き
ということで、ステートフルとステートレスの違いを理解した上、次のテーブルのように、それぞれのメリットや用途などを容易に理解できるようになれるのでしょう。
項目 | ステートフル | ステートレス |
---|---|---|
メリット | ・クライアント状態の管理が容易 ・複雑な処理が実装しやすい ・個人化された体験が実現しやすい |
・サーバー負荷が軽減される ・スケールアウトしやすい ・ロードバランスがしやすい |
デメリット | ・サーバーの状態管理のオーバーヘッドが大きい ・スケールアウトが難しい ・特定サーバーへの依存度が高い |
・クライアント側の実装が複雑になる ・全体の状況把握が難しい ・複雑な処理が実装しづらい |
向き | ・長期セッションを維持する用途 ・高度なユーザーインタラクションが必要な用途 |
・リクエストが単発的な用途 ・リクエスト間で状態共有が不要な用途 |
典型的なステートフルの通信プロトコル
それでは、どのAPI技術はステートフルですか?先に紹介したREST APIはHTTPプロトコルを利用するので、HTTPは代表的なステートレスの通信プロトコルになります。それでは、典型的なステートフルの通信プロトコルはありますか?それはWebSocketです!WebSocketは次の特徴がありますので、ステートフルなAPI技術だと言えるのでしょう。
- 接続は状態をもつセッションとして確立される
- セッションを特定するIDが割り当てられる
- セッション内でメッセージのやり取りが行われる
- サーバーはクライアントの状態を管理する必要がある
- 長時間にわたる持続的な接続セッション
また、WebSocketを利用したアプリケーションでは、以下のようなステートフルな実装が必要不可欠です。
- ユーザーセッションの認証と管理
- クライアントとの接続と状態の管理
- メッセージへの個別対応や同期
- セッションの開始と切断の制御
サーバー送信イベント(SSE)もステートフルなのか?
SSE(Server-Sent Events) は、WebSocketと並ぶブラウザとサーバー間のリアルタイム通信手段の一つになりますので、多くのユーザーはSSEをステートフルの実装として捉えていますが、SSE自体は単純なメッセージプッシュで、ステートレスな通信方式です。
- サーバーからクライアントへ1方向の非同期通知を実現する
- HTTPベースでリアルタイムデータをストリーミングする
- クライアントからのリクエストに対する応答のような形

しかし、SSEを使ったアプリケーションは、多くの場合ステートフルな実装になります。
- サーバーがクライアントの接続や状態を管理する必要がある
- クライアント間でメッセージを同期したり個別化するための状態が必要
- 長時間接続を維持するにはセッション管理が不可欠
つまり、SSE自体はステートレスでも、実際にはステートフルな要素が多く含まれることがほとんどです。したがって、SSEはステートレスの通信方式ですが、それを利用したシステムは、実質的にはステートフルな通信と考えて設計するのが一般的になるのでしょう。
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まとめ
この記事では、Web開発における「ステートフル」と「ステートレス」という2つの概念について解説しました。ステートフルとは、クライアントとサーバー間で状態を保持できるWebアプリケーションやAPIのことです。逆にステートレスは、状態を保持しない点が大きな違いです。
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