Pythonは世界で一番流行っているプログラミング言語として、PythonでAPIを扱う必要がある場合は多くあります。この場合は、PythonのAPIフレームワークを利用する必要があります。本文では、APIをより便利で効率的に開発するために、Pythonで利用可能なAPIフレームワークを7つみなさんに紹介したいと思いますが、自分の業務やニーズに従って、適切なAPIフレームワークを選択しましょう。
APIフレームワークについて
APIフレームワークは、Web APIを開発するためのツールセットやフレームワークです。これらのフレームワークは、開発者がAPIエンドポイントを定義し、リクエストを処理してレスポンスを生成するための機能を提供します。
主な特徴や機能には以下が含まれます:
ルーティング: リクエストが特定のエンドポイントに到達したときに、どのコードが実行されるかを決定する機能です。これにより、各APIエンドポイントに対するリクエストの処理が簡素化されます。
リクエストのパースとバリデーション: 受信したリクエストのパラメータを解析し、必要に応じてバリデーションを行います。これにより、不正な入力や不足しているパラメータなどのエラーを処理できます。
レスポンスの生成: リクエストに対する適切なレスポンスを生成する機能が提供されます。これには、データのシリアル化や適切なHTTPステータスコードの設定などが含まれます。
認証と認可: APIにアクセスするユーザーを認証し、アクセス権を制御する機能を提供します。これにより、セキュリティを強化し、アクセス制御を実装できます。
ドキュメント生成: APIのエンドポイントや使用方法を自動的にドキュメント化する機能があります。これにより、APIの利用方法を開発者に示すことができます。
APIフレームワークは、これらの機能を提供することで、開発者が効率的に高品質なAPIを構築できるように支援します。例えば、FlaskやDjango REST FrameworkなどのAPIフレームワークは、これらの機能を提供し、開発者がAPIのビジネスロジックに集中できるようにします。
PythonでAPIフレームワークを利用する
Pythonは世界で最も人気のあるプログラミング言語として、利用者数がかなり多くなっています。また、APIは現在のアプリケーションの機能拡張などによく使われているので、Python言語でのAPIフレームワークを使用する必要がある方はかなりいらっしゃると思います。
また、次のこともPythonでAPIフレームワークを利用する原因だと捉えています:
簡潔で読みやすい: Pythonはシンプルで読みやすい構文を持つ言語であり、APIの開発やメンテナンスが容易です。これにより、開発者は高品質なコードを効率的に書くことができます。
豊富なライブラリとフレームワーク: Pythonは豊富なライブラリやフレームワークが提供されており、APIの開発に役立ちます。例えば、FlaskやDjango REST FrameworkなどのAPIフレームワークは、APIの開発をサポートするための豊富な機能を提供しています。
高い生産性: Pythonは動的な型付け言語であり、開発者が素早くプロトタイプを作成し、迅速に反応することができます。これにより、APIの開発プロセスが迅速化され、生産性が向上します。
広範なコミュニティサポート: Pythonは広範囲にわたるコミュニティサポートを受けており、豊富なドキュメントやオンラインリソースが利用可能です。開発者はPythonに関する質問や問題に迅速に回答を得ることができます。
大規模なエコシステム: Pythonは幅広い用途に使用されており、多くの企業や組織がPythonを採用しています。そのため、Pythonで開発されたAPIは他のシステムとの統合が容易であり、大規模なエコシステムとの連携が可能です。
最高の7選:PythonのAPIフレームワーク
それでは、Python環境でAPIを開発していく必要がある場合は、どのAPIフレームワークを使用するのが一番便利です。次は、最新のPython APIフレームワークのランキングを皆さんに紹介していこうと思います。
Django REST Framework
Django REST Framework(以下、DRF)は、PythonのWebフレームワークであるDjangoの拡張機能であり、RESTful APIを開発するための強力なツールセットです。DRFは、Djangoの機能を拡張してAPI開発を行うための様々な機能を提供し、開発者が簡単にRESTfulなAPIを構築できるようにします。
DRFの主な特徴と利点には以下が含まれます:
シリアライザ: DRFは、PythonオブジェクトとJSONやXMLなどのシリアライズ形式との間でデータを変換するためのシリアライザを提供します。これにより、APIの入出力データの管理が容易になります。
ビュークラス: DRFは、汎用ビューを提供し、リクエストに応じて適切なレスポンスを生成するためのビュークラスを定義できます。これにより、APIエンドポイントを簡単に作成できます。
認証と認可: DRFは、多様な認証方法(トークンベースの認証、OAuthなど)や認可の仕組みをサポートしています。これにより、セキュリティを強化し、APIへのアクセスを制御できます。
パーミッション: DRFは、APIエンドポイントへのアクセスを制御するためのパーミッションクラスを提供します。これにより、特定のユーザーグループやロールに基づいてアクセス権を設定できます。
自動ドキュメンテーション: DRFは、APIの自動ドキュメンテーションを提供します。これにより、開発者はAPIの仕様や使用方法を簡単に理解し、他の開発者にAPIを使用する方法を示すことができます。
豊富な拡張性: DRFは、拡張性の高いフレームワークであり、必要に応じてカスタム機能や拡張を追加できます。また、既存のDjangoプロジェクトに簡単に統合できます。
Django REST Frameworkは、PythonのDjangoフレームワークをベースにしているため、Djangoの特性を継承しながらも、RESTfulなAPIの開発を簡素化し、効率化します。
FastAPI
FastAPIは、高性能なAPI開発を実現するためのPythonフレームワークで、StarletteとPydanticライブラリーに基づいています。REST API開発における新しいスタンダードとして、Pythonコミュニティで急速に注目を集めているフレームワークです。 機械学習プロジェクト等での利用に適している点が大きな特徴です。
公式サイト:https://fastapi.tiangolo.com/ja/
FastAPIの特徴といえば、主に次のようなものがあります:
- シンプルでintuitiveな設計:ルーティング、リクエスト、レスポンスなどの機能がよく構造化されている
- 超高速:他のPythonフレームワークよりもはるかに高速に動作する
- 自動生成されるインタラクティブドキュメント:OpenAPI標準に準拠したドキュメントが自動生成される
- データ検証:Pydanticを利用したデータ検証機能
- シンプルなデプロイ: ASGIサーバーとの親和性が高い
- 機械学習対応:TensorFlowやPyTorchとのインテグレーションが容易
Flask
Flask(フラスク)は、Pythonで書かれた軽量でシンプルなWebアプリケーションフレームワークです。WerkzeugとJinja2という2つのライブラリに基づいており、これらを組み合わせることで柔軟かつ拡張性の高いWebアプリケーションを構築できます。
公式サイト:https://flask.palletsprojects.com/
Flaskの主な特徴と利点には以下が含まれます:
シンプルさ: Flaskは、シンプルで直感的なAPIを提供しており、初心者にも扱いやすいです。少ないコード量でWebアプリケーションを構築することができます。
柔軟性と拡張性: Flaskは非常に柔軟であり、ミドルウェアやプラグインを組み込むことで機能を拡張することができます。また、Blueprintsを使用してアプリケーションをモジュール化し、保守性を向上させることもできます。
軽量性: Flaskは、軽量かつモジュール性が高いフレームワークであり、必要な機能だけを選択して使用することができます。これにより、冗長な機能やオーバーヘッドを排除し、パフォーマンスを最適化することができます。
強力なコミュニティ: Flaskは、広範なコミュニティサポートを受けており、多くの拡張機能やドキュメントが利用可能です。問題が発生した場合や新しい機能を追加したい場合でも、コミュニティからサポートを受けることができます。
開発用サーバー: Flaskには、開発とテストのための組み込みの開発用サーバーが含まれており、簡単にローカルでアプリケーションを実行できます。
Flaskは、小規模なプロジェクトから大規模なWebアプリケーションまで、さまざまな用途で使用されています。シンプルで柔軟なAPIを求める場合や、学習やプロトタイピングを行う際に特に人気があります。
上記の3つのフレームワークはPython環境で最も見られて、利用されているAPIフレームワークになります。この3つのフレームワーク合計は8割以上のPython APIフレームワークのシェアを占めているという実感があります。(データは未検証です、自分の感覚です。)
Tornado
Tornadoは、非同期I/Oに焦点を当てたPythonのWebフレームワークです。高速なネットワークアプリケーションやリアルタイムWebアプリケーションの開発に適しています。イベントループと非同期処理モデルを使用して、大量の同時接続を処理することができます。
公式サイト:https://www.tornadoweb.org/
Sanic
Sanicは、非同期Python 3.5+ウェブサーバーフレームワークであり、高速なAPIを構築するために設計されています。イベントループと非同期I/Oを使用して高いパフォーマンスを実現し、リクエストの処理時間を最小限に抑えます。Flaskに似たシンプルなAPIを提供しながら、高速な処理を実現します。
公式サイト:https://sanic.dev/
Falcon
Falconは、高速でシンプルなPythonのWeb APIフレームワークであり、RESTful APIの構築に特化しています。軽量かつ効率的な設計を特徴とし、高負荷の環境でも高いパフォーマンスを発揮します。シンプルな構造と高速な処理性能を活かして、APIの開発を迅速かつ効率的に行うことができます。
公式サイト:https://falcon.readthedocs.io/
Bottle
Bottleは、PythonのシングルファイルWebフレームワークであり、軽量かつシンプルな設計が特徴です。1つのファイルにすべてを含めることができ、外部の依存関係が少ないため、小規模なプロジェクトや簡単なAPIの開発に適しています。内蔵の開発サーバーを使用して簡単にアプリケーションを実行できるため、開発環境のセットアップが容易です。
公式サイト:https://bottlepy.org/
おまけ:ApidogでAPI設計、開発、テストの効率を向上
Apidogは、APIの設計、開発、テストなどのプロセスでも非常に有用なツールキットになります。Apidogを使用すると、非常に直感的なGUIでAPIを設計して、それに基づいてAPIドキュメントを生成したり、さまざまなAPIフレームワークの実装コードを生成したりすることができます。
また、ApidogでAPIを簡単にテストすることもできます。APIの単体テスト、結合テスト、機能テストやパフォーマンステストなどもApidogによって簡単に実現されることが可能です。APIサーバーサイドの開発ができていなくても、Apidogの内蔵のモックサーバーを使用して、テスト作業を前に進めることができるので、APIライフサイクルのどの段階において、非常に便利なツールです。
Python APIフレームワークの実装コードを生成
次画像のように、Apidogで定義したAPIドキュメントのページで「コード生成」→「サーバースタブとクライアントSDKを生成」の順にクリックして、様々な言語での数百個のフレームワークのサーバーサイドの実装コードを生成することができます。
PythonのAPIフレームワークの実行コードを生成する場合は、左側のメニューから「Python」を選択して、対応するAPIフレームワークを選択すれば、簡単に生成することができます。
まとめ
この記事では、PythonでAPIを開発する際に利用できる代表的な7つのAPIフレームワークを紹介しました。Django REST Framework、FastAPI、FlaskなどがPythonで最も人気のあるAPIフレームワークです。これらのフレームワークは、APIの開発を効率化し、安定性とパフォーマンスを向上させます。
まとめると、PythonはAPI開発に適した豊富なライブラリやフレームワークを持つ言語です。自分のニーズに合わせて適切なフレームワークを選択することで、開発効率とAPIの品質を最大化できます。
最後に、Apidogというツールを使えば、GUIベースでAPIを設計し、ドキュメントを生成したり、フレームワークの実装コードを自動生成したり、テストを実行できるなど、API開発のプロセスを大きく効率化できることも紹介しました。